テザー社、米国で制裁対象の暗号資産ウォレットを凍結

トルネードキャッシュ使用ウォレットも含む

USDT等のステーブルコイン発行元であるテザー(Tether)社が、米国財務省外国資産管理局(OFAC)の特別指定国民(SDN)リストに加えられてる複数の個人ウォレットを自主的に凍結したことを12月9日発表した。

テザー社はこの取り組みを「世界の規制当局や法執行機関と一層緊密に連携し、ステーブルコインの利用を保護するためのもの」だとし、「USDTの潜在的な悪用を積極的に防止し、セキュリティ対策を強化する」と述べている。

テザー社はSDNリストに掲載されている既存のウォレットとともに、今後新たに追加されるウォレットも凍結する姿勢を示している。

テザー社のCEOであるパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)氏は、「SDNリストに新たに追加されたウォレットアドレスの自主的な凍結を実行し、以前に追加されたアドレスを凍結することで、私たちはステーブルコイン技術の積極的な利用をさらに強化し、すべてのユーザーにとってより安全なステーブルコインのエコシステムを促進することができる」と述べた。

またイーサリアムのトランザクション検索サイトであるイーサスキャンによると、凍結された複数のウォレットが、過去6カ月間で暗号資産ミキシングサービスのトルネードキャッシュ(Tornado Cash)を利用していることが確認できる。なおテザー社が凍結したウォレットの中には、北朝鮮に関連するハッカー集団ラザルス(Lazarus)が関与したとされる「ローニンブリッジ(Ronin Bridge)」のハッキングに使われたウォレットも含まれている。

関連ニュース

参考:発表イーサスキャンOFAC
images:iStocks/stsmhn

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【4/4話題】イーサリアム「Pectra」メインネット実装は5/7に、米下院がステーブルコイン規制「STABLE法」可決など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米SEC、フィデリティのステーキング対応「ソラナ(SOL)現物ETF」の上場申請を受理

米証券取引委員会(SEC)が、米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)によって提出された、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)「フィデリティ・ソラナ・ファンド(Fidelity Solana Fund)」の上場および取引に関する提案書を受理した。SECが4月3日に公表している

ブラックロック、英国で暗号資産事業者の登録完了

米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)の英国部門であるブラックロックインターナショナル(BlackRock International)が、英国の規制当局である金融行為監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)から、暗号資産(仮想通貨)事業者としての登録承認を4月1日付で受けた。登録情報はFCAの公式サイトで確認できる