オーディナルズの作品が初オークション
米オークションハウス大手のサザビーズ(Sotheby’s)が、ビットコインNFT「オーディナルズ(Ordinals)」プロジェクトの作品に関する初のオークションを開催すると発表した。
同オークションでは、アーティストのシュルーム・トシ(Shroom toshi)氏がデザインした「ビットコインシュルームズ(BitcoinShrooms)」のコレクションが出品される。
なお同コレクションは10月にオンチェーン上でミント(鋳造)されたとのこと。「ビットコインシュールームズ」のサイトによれば、同コレクションは「史上初のオーディナルズコレクション」だという。
トシ氏は、作品について、ビットコイン(BTC)の最初の13年間をピクセルアートで振り返るものであり、90年代へのノスタルジーを表す8ビットスタイルアートへのオマージュが込められていると説明している。
現在出品されている作品はキノコのようなキャラクターの「S」、王冠を被ったキャラクターの「SOVEREIGN INDIVIDUAL」、アボカドを模した「BIP39 SEED」の3点で、予想入札価格は、それぞれ約2万ドル~3万ドル(約290万円~440万円)とされている。
ちなみに「S」は「Self-Sovereignty(自己主権)」を意味しているとのこと。また「SOVEREIGN INDIVIDUAL」は「主権を持つ個人」という意味であり、1998年にウィリアム・リーズ=モグとジェームズ・デイル・デビッドソンによって書かれたノンフィクションエッセイの「The sovereign individual」にちなんでいるという。同エッセイでは、政府の管理外に置かれることを目的とした暗号ベースのデジタル通貨の出現が予測されている。
また「BIP39 SEED」も自己主権を表現するアートで、ビットコインアドレスとそれに対応する秘密鍵を生成する固有の12~24語のリスト(シードフレーズ)を表現したものだ。
なお、このコレクションのオークションは12月6日から12月13日まで行われる。
「オーディナルズ」は、ビットコインの最小単位である1satoshi(0.00000001BTC)に通し番号をつけ、ひとつのsatoshiに任意のデータを紐づけるプロトコルだ。2021年11月に実施されたアップグレードである「タップルート(Taproot)」を経て「オーディナルズ」は実現した。
「オーディナルズ」を利用したトークン規格は代替可能トークンのみならず、NFT(非代替性トークン)のための規格も存在している。
サザビーズは2021年からNFTのオークションを開始している。
2021年9月には、人気NFTコレクション「101BoredApeYachtClub(ボアードエイプヨットクラブ)」が約2440万ドル(当時の価格で約26億円)にて落札されている。
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参考:サザビーズ・ビットコインシュルームズ
images:iStocks/Arkadiusz-Warguła・artacet・LongQuattro