買い増しや換金サービスも
金融サービス大手のスタンダードチャータード(Standard Chartered)銀行の中国部門であるスタンダード・チャータード・チャイナ(Standard Chartered China)が、中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元(e-CNY)の両替サービスを開始したと11月27日発表した。
発表によれば、スタンダード・チャータード・チャイナはシティバンク・クリアリングサービス(City Bank Clearing Services Limited)と協力し、e-CNYの相互接続プラットフォームで顧客向けにe-CNY両替サービスの提供を行うという。またこのサービスでは、e-CNYの買い増しや換金も行うとのことだ。
スタンダード・チャータード・チャイナは、e-CNYのパイロット・プログラムに参加した最初の外資系銀行の1つとして名を連ねている。
デジタル人民元について
中国人民銀行(PBoC)が発行するCBDCであるe-CNYは2019年の開始以降、着実に利用拡大されている。
昨年1月には、モバイルウォレット「WeChat Pay」に対応すると現地メディアによって報じられた。また同年6月には、中国の広東省深圳市の市民を対象に、3000万人民元(約5.7億円)相当が抽選配布されている。
今年7月にはシンガポールのDBS銀行の中国本土子会社であるDBSグループ・チャイナが、e-CNYをサポートする新たな決済システムを立ち上げたことを発表。
5月には、仏金融機関のBNPパリバが中国銀行(BOC)と提携し、法人顧客向けにe-CNY普及に乗り出すと香港現地メディアが報じていた。
なお10月には上海石油天然ガス取引所(SHPGX)がe-CNYによる原油取引成功を発表。これは、国際市場において利用拡大が続く人民元に勢いをつける一助となる可能性がある。
ちなみにPBoCが発表した最新のデータによると、今年第1~3四半期の「当座預金」による国境を越えた人民元決済額は10兆1,600億元(1兆3,900億ドル:約207兆710,6億円)に上り、前年同期比で35%増加しているという。
暗号資産は禁止の中国
中国は、暗号資産に関連する活動を「違法」と位置付け、2021年に暗号資産の使用を禁止している。しかしweb3に対する姿勢は前向きになりつつある。
今年5月中国の北京市がweb3に関するホワイトペーパーを公開。同ホワイトペーパーではweb3技術が「現代の科学技術の中心であり、将来のインターネット産業の発展において不可避なトレンド」だと述べられていた。
また今年2月には、中国の科学技術省が「国家ブロックチェーン技術革新センター」の設立を承認。ブロックチェーンに関する技術上の革新的進歩を目指す動きが報道されていた。
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参考:スタンダード・チャータード・チャイナ
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