サム・アルトマンのCEO解任でWLD価格が一時下落
OpenAI(オープンAI)創業者のサム・アルトマン(Sam Altman)氏が同社CEOおよび取締役会から解任されたことを受け、暗号資産「Worldcoin(WLD)」のトークン価格が急落した。
一時は24時間比で約13%の下落を見せた。しかし解任発表から3日経った現在、1.84ドルまで下げたその価格は記事執筆時点で2.41ドルとなっており、下落前の価格を取り戻している(2023.11.20 12:30)。
AIチャットボットサービス「ChatGPT」などの人工知能で知られるOpenAIは11月17日、サム・アルトマン氏の退社を発表。同社は暫定CEOとしてCTOのミラ・ムラティ(Mira Murati)氏を任命した。
なおOpenAIは、アルトマン氏の解任が取締役会での審議プロセスを経て決定したものと説明。「アルトマン氏が取締役会とのコミュニケーションにおいて常に率直でなく、取締役会の責任を果たす能力を妨げているとの結論に達した」とし、「取締役会はもはや、同氏が今後もOpenAIをリードし続ける能力に自信を持っていない」と同社は述べている。
そして前述のとおりこのニュースは、アルトマン氏が開発に関わる暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールドコイン(Worldcoin)」の独自トークン「WLD」の価格にも影響を与えた。
なお「WLD」の価格回復と関係性は不明だが、Microsoft(マイクロソフト)を含むOpenAIの主要投資家が、アルトマン氏の復帰を交渉しているとの報道が複数社がら出ている。
「ワールドコイン」はサム・アルトマン氏が、物理学者のアレックス・ブラニア(Alex Blania)氏と共に開発を進めているプロジェクト。今年7月24日に正式ローンチした。
同プロジェクトは「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで網膜をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで個人を識別する「World ID」を発行する。現在このスキャンは無料ででき、スキャンしたユーザーは現在無料の暗号資産「Worldcoin(WLD)」を受け取れる。この「WLD」の配布により、ベーシックインカム実現も計画されているという。
なお「ワールドコイン」の「ワールドアプリ(World App)」のダウンロード数は今月11月に400万を超えたことが報告されている。
また同アプリは、10万人超のDAU(日間アクティブユーザー数)、50万人超のWAU(週間アクティブユーザー数)を記録したとのこと。またMAU(月間アクティブユーザー数)については、過去6ヶ月で2倍となる100万MAUとなったとのことだった。
さらに発表によると「ワールドアプリ」は、セルフカストディ向けの暗号資産(仮想通貨)ホットウォレットとして6番目に人気があるとも述べられている。