ヴィタリック、スケーリングソリューション「Plasma」の評価を再検討すべきと主張

ヴィタリックが「Plasma」を再検討

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、イーサリアムのスケーリングソリューションである「プラズマ(Plasma)」への評価を再検討するべきであると、自身のブログで主張した。

なお11月14日に投稿されたブログのタイトルは「Exit games for EVM validiums: the return of Plasma(EVM 検証のためのゲーム終了: Plasma の復活)」だ。

「プラズマ」は、「ロールアップ」が一般的になるまで主流だったイーサリアムのスケーリングソリューションだ。

しかし「プラズマ」は、クライアント側のストレージ要求が大きいことや、支払いの処理以外に使用できるよう一般化することが難しいという理由で、主流なスケーリングソリューションは「プラズマ」から「ロールアップ」に取って代わられた。

ヴィタリックによると、この「プラズマ」が再び注目されるべきであるという。

ヴィタリックはブログにて、ゼロ知識証明(zkp:zero knowledge proof)を用いた技術「ZK-SNARK(ZKスナーク)」の登場した現在では、クライアントのストレージ要求に関する問題を解決できると語っており、「プラズマ」は過小評価されているとまとめている。

しかし「プラズマ」を支払い以外のアプリケーションへ適応する難しさは、未だに課題であるとヴィタリックは認めている。

また同ブログ内では、セキュリティ面およびプライバシーシステムにおける「プラズマ」の限界も説明されており、その対処法がいくつか紹介されている。

その中でプライバシーシステムの限界に対処する方法として、日本人起業家の日置玲於奈氏および藤本真衣氏がCo-Founderを務めるステートレスzkRollupプロジェクト「Intmax(イントマックス)」も紹介されている。

なおヴィタリックは定期的にイーサリアムに関する意見をブログにて投稿しており、投稿のたびに賛否両論を集めている。10月初頭にはリキッドステーキングサービスによる中央集権リスクについての投稿を行い、イーサリアムのプロトコルへの機能追加を検討するという内容だったため、批判を集めていた。

関連ニュース

参考:ヴィタリックブログ
写真:大津賀新也(あたらしい経済)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

Sponsored