実現すれば同国初の事例に
韓国大手暗号資産(仮想通貨)取引所ビッサム(bithumb)が、新規株式公開(IPO)を計画しているようだ。現地メディア「イーデイリー」が11月12日報じた。
報道によれば、ビッサムを運営するビッサムコリアは10月末、IPOの引受先候補としてサムスン証券を選定したとのこと。上場予定は2025年下半期で、米ナスダック(NASDAQ)の韓国版であるコスダック(KOSDAQ)での上場を目指すが、証券(KOSPI)市場に上場先を変更する可能性もあるとのことだ。
なおこのIPOが実現すれば、韓国の暗号資産取引所としては初の事例となる。
ビッサムはIPOの計画についてはコメントを避けたが、引受先が決まったことについては認めたと報じられている。
またビッサムはIPOに先立ち、ビッサムコリア及びビッサムホールディングス前会長のイ・ジョンフン(Lee Jeong-hoon)氏が登録取締役として取締役会に復帰し、経営強化を目指すとのことだ。
また、ビッサムホールディングスのCEOで、現在贈収賄疑惑で調査中のイ・サンジュン(Lee Sang-jun)氏は取締役会から外されたという。今後ビッサムホールディングスのCEOはビッサムコリアのCEOであるイ・ジェウォン(Jaewon Lee)氏が兼務するとのこと。
また報道では、ビッサムのIPOの背景には、韓国最大の暗号資産取引所であるアップビット(Upbit)に更なる市場シェアを渡したくないという思いがあると伝えられている。
ビッサムは現在、1日の取引高でアップビットに次いで韓国第2位の暗号資産取引所だ。
なおアップビットの月間取引量は今年7月、初めてコインベース(Coinbase)及びバイナンス(Binance)を上回り、8月にはコインベースとOKXを上回ったとのことだ。
韓国の政府政策調整局(OPC)は2021年4月、暗号資産の規制を開始。同年8月にアップビット(Upbit)が、韓国の金融規制当局である韓国金融委員会(FSC)下の金融情報分析院(FIU)に対して、暗号資産サービス事業者としての申請を行った。なおこれは同国初事例であった。
関連ニュース
- アスター(ASTR)、韓国大手bithumbに上場
- 韓国暗号資産(仮想通貨)取引所ビッサム(Bithumb)が二度目の売却を検討か
- 韓国金融情報院、VASPらにコンプライアンス能力強化を要請
- 韓国取引所Upbitが規制当局に運営免許申請、国内初事例に
- 韓国の11の暗号資産取引所が閉鎖の可能性、関係筋証言
参考:イーデイリー
images:iStocks/Bet_Noire