CARFを国内法へ取り入れる方針示す
日本を含む約50の国・地域の税務当局が、税務当局間の自動的な情報交換に関する国際基準である「暗号資産報告フレームワーク(CARF)」を国内法に取り入れることを11月10日発表した。
この取り組みには、暗号資産(仮想通貨)取引における脱税の防止及び財務コンプライアンスを向上させる狙いがある。
誓約国は、アルメニア、オーストラリア、オーストリア、バルバドス、ベルギー、ベリーズ、ブラジル、ブルガリア、カナダ、チリ、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、リヒテンシュタイン、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国、ガーンジー、ジャージー、マン島及びイギリス海外領土であるケイマン諸島とジブラルタルだ。
経済協力開発機構(OECD)は昨年、「CARF」を発表した。
「CARF」は、G20から「暗号資産に関する国家間の自動的な情報交換のための枠組みを開発するように」との要請を受けてOECDが開発した枠組みである。
既に国際的な税務報告の枠組みとして導入されている共通報告基準(CRS)のように標準化された方法で、納税者の居住区域と毎年自動的に情報交換することによって、暗号資産取引に関する透明性を確保できるという。
共同声明によると、「CARF」による情報交換は2027年からを予定しているとのこと。
また、脱税の隠れ場所をなくす情報交換システム強化の観点から、他の国・地域への参加も呼びかけていくとしている。
「CARF」へ署名していない国として、中国や香港、アラブ首長国連邦(UAE)、ロシア、トルコなどがある。
なお中国は暗号資産取引やマイニングが禁止されているが、規制を回避し取引を行う人々が存在することがブロックチェーン分析会社チェイナリシス(Chainalysis)が9月に発表したデータにより明らかとなっている。
中国人民銀行の潘功勝(パン・ゴンシォン)総裁は10月、違法な金融行為を厳しく取り締まる姿勢を示していた。