バイナンスが「Binance Web3 ウォレット」リリース、アプリ統合のノンカストディアル型で

「Binance Web3 ウォレット」がリリース

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が「Binance Web3 Wallet」の提供開始を11月8日発表した。

発表によると同ウォレットは、バイナンスアプリ内で稼働するセルフカストディ(自己管理)型であるという。

なおバイナンスは先日6日に「次の10億人を受け入れる鍵」を8日に発表するとしていた。今回のウォレットがこれにあたると思われる。

発表によると「Binance Web3 Wallet」は、バイナンスアプリを使用して数秒で作成できるとのこと。ただし「あたらしい経済」編集部が確認したところ、日本国内からは同ウォレットの作成はできなかった。なお米国からのアクセスについてもバイナンスUSのアプリダウンロードのページへ進むことになるようだ。

MPCを利用

さらに同ウォレットは、シードフレーズや秘密鍵を気にすることなく作成が可能とのこと。これにはマルチパーティコンピューティング(MPC)技術を利用しているからだという。

なおMPCとは、複数の主体が暗号化されたデータを持ち寄った場合に、個々のデータセットを復号することなく、最終的な計算結果が得られることを可能とする暗号技術のこと。

同ウォレットはMPC技術により、秘密鍵が3つの「キーシェア」に分割し保存されるとのことで、単一の「キーシェア」ではウォレットにアクセスできないという。これにより秘密鍵が侵害されるリスクとシステムの脆弱性が軽減されるとのこと。なおユーザーは2つの「キーシェア」を保持するという。そのためシードフレーズが必要ないとも説明されている。

具体的には、「Binance Web3 Wallet」は3つの「キーシェア」とユーザーのみが知るリカバリーパスワードによって保護されるという。3つの「キーシェア」はバイナンス・デバイス・iCloudまたはGoogle Driveといった個人のクラウドストレージの3つにそれぞれバックアップされるとのこと。なおウォレットにアクセスするには少なくとも2つの「キーシェア」が必要になるとのことだ。

また「Binance Web3 Wallet」では秘密鍵をエクスポートできる「緊急エクスポート機能」も搭載しているという。これにより別のウォレットへ資産の移動が可能とのこと。ただし同機能使用により「Binance Web3 Wallet」は利用できなくなるとの記載もある。

サポートされているネットワークとdApps

また「Binance Web3 Wallet」は、36ものブロックチェーンをサポートしているとのこと。

Ethereum、BNB Smart Chain、Polygon、Arbitrum One、Optimism、Avalanche C-Chain、Fantom、Polygon zkEVM、zkSync Era、Evmos、Gnosis Chain、Klaytn、Moonbeam、Moonriver、Conflux eSpace、Celo、Acala EVM、Aurora、Callisto、Ethereum Classic、GoChain、IoTeX EVM、Neon、Wanchain、Cosmos Hub、Juno、Kava、Agoric、Akash、Axelar、Native Evmos、Injective、Neutron、Stargaze、Osmosis、Strideが記載されている。

その他にも同ウォレットは、PancakeSwap V3、Venus、ApolloX Finance、Uniswap V3、Balancer V2、Lido、Beefy、Opensea Seaportのサポートも行っているとのことだ。

「Binance Web3 Wallet」は、バイナンスブリッジ(Binance Bridge)やその他のプロバイダーとの統合により、ブロックチェーン間のトークンスワップをより有利な価格で簡単に行えるとしている。

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参考:バイナンスBinance Web3 Wallet
images:iStocks/Molnia

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
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