金のトークン化に乗り出す
英ロンドンに本社を置く大手銀行HSBCが、金のトークン化に乗り出した。各社が11月1日報じた。
ブルームバーグの11月1日の報道によれば、HSBCは分散型台帳技術を使い、ロンドンの金庫に保管されている現物の金の所有権をトークン化するプラットフォームを立ち上げたとのこと。
このシステムでは、金の延べ棒を表すデジタルトークンが作られる。機関投資家はそのトークンをHSBCの単一取引プラットフォームを通じて取引できるという。
またブロックチェーン技術の使用により、顧客はプラットフォームを通じて、それぞれの延べ棒のシリアルナンバーに至るまで、所有する金をより簡単に把握できるとのこと。
なお同プラットフォームにおける1トークンは0.001トロイオンス相当とのこと。ちなみにロンドンで流通している金の延べ棒は400トロイオンスとのことだ。
またブロックチェーンメディアのブロックワークスによれば、HSBCはこのアプローチを「顧客の現物金保有を許可されたデジタル表現で生成する」と述べているとのこと。
なおHSBCは、同システムを金以外の他の貴金属にも拡大する予定だという。
HSBC以外にも金をトークン化した事例はある。
2022年12月にロシアの大手銀行スベルバンク(Sberbank)が、金担保のデジタル金融資産(DFA)の発行を発表している。発行基盤となったのはスベルバンクが運用・開発する分散型台帳基盤だ。
また国内では、三井物産100%出資の子会社である三井物産コモディティーズが、金(ゴールド)価格に連動する暗号資産(仮想通貨)「ジパングコイン:Zipangcoin(ZPG)」を2022年より発行している。