バイナンスが香港進出計画か
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、香港で暗号資産取引所を設立し、ライセンス申請を目指しているとの報道が出た。香港のメディアであるサウスチャイナ・モーニング・ポストが情報筋の話として10月25日報じている。
報道は、香港拠点の暗号資産取引所であるHKVAEXの設立にはバイナンスが関係しているのではないかというものだ。
HKVAEXは昨年12月に設立された暗号資産取引所であり、同社が香港でのVASPライセンス取得へ向けた申請書提出の準備を進めていることは、同社CEOのスタンリー・ファン(Stanley Fung)氏によって7月に明らかとなっているという。
また報道によれば、HKVAEXは別個の事業体として設立されたにもかかわらず、バイナンスとHKVAEXはリソースを共有しているという。
なおバイナンスはサウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、「HKVAEXはバイナンスグループの企業ではない」と語っているとのこと。
HKVAEXとバイナンスの明確な関係性は明らかになっていないが、もしバイナンスがHKVAEXと緊密な関係にあるのであれば、バイナンスの香港進出が現実味を帯びることになるだろう。
香港でのライセンス取得について
香港でのライセンス取得については、香港証券先物委員会(SFC)が2月20日、VASPに対する新たな規制案を発表している。SFCはこれまで、セキュリティトークンを取り扱うVASPに対してのみライセンス取得を義務付けていた。しかし、この規制案では「香港でビジネスを行う、または香港の投資家に積極的にマーケティングを行うすべての集中型暗号資産取引プラットフォーム」を対象とし、SFCの規制要件を満たし、ライセンスを取得することを求めている。
ライセンス取得のための規制要件は既存制度のものに基づき、カストディ・KYC(本人確認)・サイバーセキュリティ・監査・リスクマネジメント・AML(マネーロンダリング対策)などの要件を含むものになるとのこと。
なお8月3日にはHashKey Exchange(ハッシュキーエクスチェンジ)が、香港において初めて、個人投資家向けの暗号資産取引所として認可を受けている。
世界中の規制当局から圧力を受けるバイナンス
バイナンスは現在、多くの国々の規制面で厳しい局面にさらされている。
バイナンスは5月、規制上の理由からカナダ市場から撤退することを発表していた。
また6月にはベルギー規制当局がバイナンスに対し、暗号資産取引とカストディウォレットサービス提供を即時停止するよう命じた。そしてドイツの金融規制当局もバイナンスに、暗号資産カストディライセンスを付与しないことを通達したことが報じられている。
10月16日には、英国での新規ユーザー受け入れを停止。これは英国で導入された新たな金融プロモーション規制制度に準拠するための決断であった。
また、欧州経済領域(EEA)でのVisaデビットカードサービスを年内で停止することも発表されている。
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参考:サウス・チャイナ・モーニング・ポスト
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