バイナンスやOKXら、英暗号資産取引に関する新規制準拠へ焦点当てる、現地企業と提携も

複数の事業者が新規制準拠へ向け行動

大手暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)やOKXが、英国の新規制への準拠に努めていることを続々と発表した。

新規制とは、英国の規制当局である金融行為監督機構(FCA)が、10月8日より発効したもの。英国ユーザー保護を目的としたもので、暗号資産関連事業者は公平かつ透明性の高いプロモーションを行わなければならない。これを破れば「最高2年の禁固刑、無制限の罰金、またはその両方」を科される可能性がある。

バイナンスは10月8日の発表にて、英国の個人ユーザー向けに新たなドメインを立ち上げたことを報告。併せて、FCAより承認を受けた英P2P融資プラットフォーム企業「リビルディングソサエティドットコム(Rebuildingsociety.com Limited)」と提携したことを発表した。

これによりバイナンスの英国ユーザーは、10月8日より新たなドメインに誘導され、英国の新規則に準拠しているバイナンスのサービスにのみアクセス可能だ。

提供されるサービスは、法定通貨および暗号資産の入出金、スポット取引、信用取引、NFTマーケットプレイス、ローンなどで、ギフトカードやリサーチ、紹介ボーナスなどは提供されなくなるという。

またこれらの変更は、英国の個人ユーザーにのみ適用され、新しい金融プロモーション規制の下で免除されるユーザーである特定の機関投資家やプロの投資家などには適用されないとのことだ。

OKXも対応を発表

OKXは10月6日に声明を発表。その中でOKXは、提供する暗号資産を約40銘柄に削減し、明確で目を引くリスク警告を設置したと伝えている。

またOKXは、英国ユーザーのためのX(旧Twitter)アカウントも開設したことを報告。英国の新規制に対応した商品やサービスを公開していくとした。

その他に大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)も10月4日、英国ユーザー向けにXアカウントを開設している。

またOKXとコインベースはFCAより承認を得るために、英暗号資産取引所のアーチャックス(Archax)と協力していることも各社報道にて伝えられている。

FCAは10月9日、非認可の暗号資産取引所についての警告リストへ、新たに143の事業体を追加したことを発表している。

また米web3メディアのディクリプトによれば、コインベースと英レボリュート(Revolut)は先週末、暗号資産取引に関する追加の「リスク免責事項」を含む変更について電子メールでユーザーに通知し、モバイルアプリケーションを更新するよう促したとのことだ。

またコインテレグラフは、暗号資産決済サービスのムーンペイ(MoonPay)が新規則準拠に取り組んでいると報道。

ムーンペイの副顧問であるマット・サリバン(Matt Sullivan)氏の言葉として、規制準拠のために全社的な教育やローカライズされた製品のアップデートなどが必要といったムーンペイが課題に向き合っている様子を伝えていた。

関連ニュース

参考:バイナンスOKX
デザイン:一本寿和
images:iStocks/eugenesergeev

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

Sponsored

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された

フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開

米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、「オンチェーン米国政府マネーファンド(OnChain U.S. Government Money Fund:FOBXX)」をイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ブロックチェーン「ベース(Base)」上でローンチした。フランクリン・テンプルトンが公式Xにて10月31日発表した