バイナンスがロシア市場から完全撤退
海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、ロシア市場から完全撤退することを9月27日発表した。
市場撤退にあたりバイナンスは、9月26日に正式ローンチしたばかりの暗号資産資産取引所コムEX(CommEX)へロシア事業全体を売却するとのこと。コムEXは英語とロシア語対応の取引所である。
既に事業売却に関する契約は締結したというが、取引の財務詳細については未公開とのことだ。
なおオフボーディングのプロセスは最大1年かかるという。今後数か月でバイナンスは、ロシアにおける全ての取引所サービスとビジネスラインを廃止する予定だとしている。
なお両取引所はユーザーに対し、コムEXへ資産を移行する方法を改めて通知するとのことだ。
バイナンスの最高コンプライアンス責任者(CCO)であるノア・パールマン(Noah Perlman)氏は「将来に目を向けると、ロシアでの事業はバイナンスのコンプライアンス戦略と両立しないことを認識している」とリリースにて述べている。
バイナンスは昨年4月、EU(欧州連合)によるロシアへの制裁措置を受け、同国のユーザーに対しサービスの利用制限を行っていた。
しかし今年4月18日、複数のロシア語のテレグラム(Telegram)チャンネルに、バイナンスが10,000ユーロ超保有者への制限措置を解除したと伝える内容のメッセージ送信されたことが報道された。
これをうけ米司法省は、米国の対ロシア制裁を回避し資金を動かす手段としてバイナンスが違法に利用されていたかを調査していると5月にブルームバーグが報道していた。