ユーザーフレンドリーなWeb3ウォレット「Blocto」、日本への本格参入に向け始動

アカウントの抽象化とクロスチェーンで、誰でも使いやすいウォレット提供

現在Web3領域でホットなトピックスの一つが、「アカウントの抽象化(Account Abstraction:AA)」だ。

「アカウントの抽象化」を活用することで、ブロックチェーンのユーザ体験を劇的に改善することが期待されている。技術的な説明はここでは省くが、この仕組みを活用することで秘密鍵を管理せずともユーザーがブロックチェーンにアクセスできるサービスなどが実現可能だ。

この「アカウントの抽象化」を活用し、Web3ウォレットをグローバルに提供する台湾の企業がある。Bloctoだ。

同社は「アカウントの抽象化」に関する提案ERC-4337を活用した、オールインワンのクロスチェーン・スマートコントラクト・ウォレット「Blocto Wallet」を提供している。そのユーザーは、全世界で170万人を超える。

なおBloctoは7月17日から20日まで仏パリで開催された「イーサリアム・コミュニティ・カンファレンス(EthCC)」で最大規模のアカウント抽象化イベント「AAvolution: Account Abstraction Village」を主催したことも話題を呼んだ。このイベントではイーサリアム(ETH)共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が基調講演を行い、「初の本格的なアカウント・アブストラクション・イベント」だと評価したという。

そんなBloctoの提供する「Blocto Wallet」は、「アカウントの抽象化」で簡単なユーザー体験を実現した。そして複数のブロックチェーン対応により、暗号資産やNFTまたdAppsがどのブロックチェーンで構築されているかを意識せずシームレスにアクセスできる仕組みも提供している。

「Blocto Wallet」アプリは、iOSとAndroidでリリースされており、ユーザーはインストールすると約30秒で利用開始できる。複雑なウォレット作成プロセスがなく、初心者でもできる限りシンプルに利用ができるように設計されてたプロダクトだ。

2019年の創業以来、「アカウントの抽象化」の分野における業界のパイオニアとして、Web3ウォレットを提供してきたBlocto。まさに同社のこだわりは、「簡単さを追求した高速なユーザーオンボーディング体験」だ。

実際「Blocto Wallet」を使ってみると、アカウント作成の簡単さやユーザーフレンドリーなUI/UXなど、その摩擦のない設計を実感できるだろう。約30秒で利用開始できると前述したが、そのプロセスで実際のメールでのサインアップに必要なのは僅か10秒以内だ。

またユーザーは、アプリ内決済やクレジットカードなど利用し法定通貨で「Bloctoポイント」を購入できる。このポイントはブロックチェーンにおけるガス代(トランザクション手数料)として活用可能だ。例えるならば、「Bloctoポイント」はガスを貯めているタンクのようなものだ。ユーザーはタンク内のガスを使うことで、トランザクション実行の際に発生する手数料となるガス代を支払うことができる。

このポイントの仕組みを上手く活用することで、ユーザーはお気に入りのdAppsにシームレスにアクセスできる。さらに初心者にとっては、利用前にガス代のための暗号資産を入金せずとも無料で数回の取引を体験できるのも魅力的だ。

なおユーザーフレンドリーなBloctoのウォレットソリューションは、ロードレース世界選手権「MotoGP™」のブロックチェーンゲームプラットフォーム「MotoGP™ Ignition」にも独占的に採用されている。

Bloctoが目指すのは幅広いファン層へWeb3体験の提供だ。このような企業との取り組みを今後もさらに強化していくとのことだ。

また今年2月Bloctoは、時価総額8,000万ドルでシリーズAラウンドをクローズした。投資家には、実業家でNBAのダラス・マーベリックスのオーナーも務めるマーク・キューバン(Mark Cuban)氏や、IPX(旧LINE FRIENDS)、500 Globalらが名を連ねている。

日本へ本格参入

そんなBloctoが、今ターゲットにしているマーケットは、日本だ。日本でWeb3業界のキープレイヤーとなることを目指し、今後様々な取り組みを展開していく予定だという。

Bloctoのメンバーは、今年開催されたETHGlobal TokyoやIVS Kyotoなど、日本の大型イベントにも参加した。そしてIVS Kyotoのサイドイベントとして、「BAM Kyoto Takeover」をAptos(アプトス)と共同開催した。

サイドイベントの動画はこちら

これら日本での取り組みを通じ、彼らは「日本のWeb3分野でのビジネスチャンスを探るだけでなく、新たな人間関係を築け、日本の文化や社会を肌で感じ、理解を深めることができた」と語っている。

また彼らは、日本政府がWeb3のイノベーションにおける支持していることにも注目していると語る。Web3ホワイトペーパーや骨太の方針など、日本のWeb3への積極的な取り組みは、海を越えて世界に伝わっているようだ。

Bloctoはアジアだけではなく、より広く世界へのアプローチとプレゼンスの拡大を目指しているという。そしてその計画において、日本市場に本格参入することが、理想的な次のステップだと考えているようだ。

編集部が取材したBloctoのメンバーはこう語る。

「Web3の理念に沿って、Bloctoは常にグローバルな視野と前向きな思考を持ち続けています。そして、私たちの究極の目標は変わりません。それは、私たちのユーザーフレンドリーで革新的な製品とソリューションを世界中のすべての人に提供し、Web3の有用性で次のテクノロジーの時代に向けて力を与えることです。Bloctoの歴史が新たな時代を迎えるにあたり、皆様が私たちの日本での次の冒険を引き続き応援してくださることを願っています」

これからBloctoは日本市場に本格参入する。すでに「Blocto Wallet」は国内でもダウンロードが可能だ。ご興味ある方は一度使ってみてもいいかもしれない。

なおBloctoはすでに日本支社を設立しており、今後もさらにエキサイティングなニュースを発表していく予定だ。

ご興味ある方は以下のリンクから、Bloctoのコニュニティもチェックしてみて欲しい。

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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