アントグループ、デジタル資産分野から投資撤退か
中国フィンテック大手アントグループ(Ant Group)が、デジタル資産分野への投資から撤退する予定だと、ブルームバーグが関係者の証言として9月18日報道した。
報道によるとアントグループは、主要投資家として出資するA&Tキャピタル(A&T Capital)が運用する1億ドル(約147.7億円)規模のファンドへの投資を解消するとのことだ。
なおA&Tキャピタルのポートフォリオには、米ブロックチェーン開発企業のコンセンシス(Consensys)や暗号資産(仮想通貨)金融サービス事業者のアンバーグループ(Amber Group)、レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」開発元のミステンラボ(Mysten Labs)などの複数のweb3企業が含まれる。
今回アントグループが投資撤退をする理由については報じられていない。ただし報道にもあるが、今年の第2四半期(4~6月)の暗号資産関連の新興企業の資金調達額は減少しており、2020年以降で最低額となっている。
なお今年7月にアントグループは、中国の国家金融監督管理総局などから、消費者保護や銀行・保険業務、決済サービスなどの分野で違法行為があったとして71.2億人民元(約1,410億円)の罰金が科されている。なおこの額は、中国国内のインターネット企業に対する罰金としては過去最大級のものとなる。
またアントグループは今月8日、香港と海外市場を対象としたブロックチェーン・サービス「ZAN」を新たに開始している。
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参考:ブルームバーグ
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