国内IEOの規制ルール整備か
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が、国内IEO(イニシャルエクスチェンジオファリング)におけるルールをまとめ、近日中に骨子案を公表すると日経新聞が8月30日報じた。
新ルール導入のねらいは、IEOで上場した暗号資産(仮想通貨)の売り抜けによる価格暴落の防止により、投資家保護につなげることと思われる。
報道によると新ルールでは、IEOにより上場した暗号資産(仮想通貨)の発行体の関係者に対し、最低3か月間の売却制限(ロックアップ)を適用するという。また月間の売却可能数量を売り出し数量に対して10%の上限を設けるとのこと。
さらに流動性を提供するマーケットメイカーの導入や、海外暗号資産取引所への同時上場の検討、そして「価格暴落の際の安定操作取引を相場操縦行為と区別を明確にし、ルール化すること」が骨子案に盛り込まれているとのことだ。
IEO(Initial Exchange Offering)とはトークンによる資金調達を暗号資産取引所が支援し、具体的には主体となって発行体のトークンを販売するモデルのこと。
過去国内においてIEOで販売された暗号資産は4銘柄ある。Hashpalette(ハッシュパレット)がコインチェックで実施した「パレットトークン(PLT)」と「FC琉球」がGMOコインで実施した「FCRコイン(FCR)」、フィナンシェがコインチェックで実施した「フィナンシェトークン(FNCT)」、オーバースがcoinbook(コインブック)およびDMM Bitcoinで実施した「Nippon Idol Token(NIDT)」だ。
関連ニュース
- JVCEAとJCBA、共同で「暗号資産に係る2024年度税制改正要望書」を日本政府へ提出
- 日本政府が6月1日よりトラベルルール開始、暗号資産規制を国際基準に=報道
- IEOプロセス大解剖〜調達から上場その先へ(天羽健介/国光宏尚/佐藤義仁/柚木庸輔)
- 暗号資産の規制や税制、どう捉える?(ビットバンク 廣末紀之)
- 日本版web3スタートアップが直面する資金調達・規制・上場のリアル(岩瀬大輔/加納裕三/福井崇人/西田隆一/吉田世博)
参考:日経
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Roman-Didkivskyi