メタマスクの知的財産めぐって
米国の起業家兼エンジニアのジョエル・デーツ(Joel Dietz)氏が、web3ウォレットのメタマスク(MetaMask)を提供する米コンセンシス(Consensys)を訴えた。8月2日、米コインデスクをはじめ各社が報じている。
報道によれば、デーツ氏はサンフランシスコの州裁判所へ8月2日訴状を提出。同氏の訴えは、メタマスクの開発に貢献したが、正当な評価を得ていないというものだ。
メタマスクはイーサリアム(ETH)系ブロックチェーンの通貨やNFTを一括で補完・管理できるweb3ウォレットだ。2016年9月にコンセンシスの従業員であるアーロン・デイビス(Aaron Davis)氏とダン・フィンレイ(Dan Finlay)氏によって開発されたとされている。
しかしデーツ氏によれば、メタマスクの知的財産を同氏が作成したのは2014年末であり、べイパー(Vapor)というプロジェクトを立ち上げた時だったとのこと。2015年3月にベイパーのコーディングを手伝うために雇用されたデイビス氏がデーツ氏を裏切り、コンセンシスと結託したとして訴えているという。
デーツ氏の訴え
デーツ氏はベイパーにおいて、製品のビジョナリー、スポークスパーソン、資金調達担当者としての役割を担っていたという。
デーツ氏は2014年11月に、イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏とポルカドット(Polkadot)の共同創設者であるギャビン・ウッド(Gavin Wood)氏にベイパーを売り込み、賛同を得たという。また2015年初めにイーサリアム財団から3万ドル(約427万円)を受け取ったが、数カ月程度の開発資金にしか満たず、他の資金調達もうまくいかなかったためプロジェクトは頓挫したのだという。
それから1年後の2016年、コンセンシスはメタマスクを発表。アプリの創設者としてデイビス氏はクレジットされているものの、デーツ氏の名前はなかったとのことだ。
この訴えに対しコンセンシスの広報担当者は、「デーツ氏はメタマスクの設立者として偽りのマーケティング活動を行ってトークン販売や資金調達を行おうとしてる」と非難。デーツ氏はメタマスクの創設者ではなく、全く無関係の人物だと指摘し、速やかな裁判の処理を望んでいるとコメントしている。
デーツ氏は、同裁判ではメタマスク創業パートナーとしての自身の役割を証明する実質的な証拠を示すことができるとし、複数の同僚によって実証されるだろうと述べている。
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参考:CoinDesk
デザイン:一本寿和
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