オーストラリア証券取引委員会、FTX現地法人のライセンス取り消し

FTXオーストラリアのライセンスが取り消される

昨年破綻した大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの子会社であるFTXオーストラリア(FTX Australia)が、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)により金融ライセンスを取り消された。ASICが7月19日発表した。

発表によればASICは、7月14日よりFTXオーストラリアの保有していたオーストラリア金融サービス(AFS)ライセンスを取り消したという。

ただしライセンスは取り消されたが、FTXオーストラリアは2024年7月12日まで、顧客との既存のデリバティブを解約するための限定的な金融サービスの提供ができるとのこと。

なお今回の解約によって、FTXオーストラリアがオーストラリア金融苦情処理機構(AFCA)のメンバーであり続けること、および個人顧客に対する補償の取り決めを保持することの要件に影響を受けることはないという。

FTXの破綻した2022年11月11日には、シドニー拠点の投資顧問会社コルダメンタ(KordaMentha)のジョン・ムアワド(John Mouawad)氏、スコット・ラングドン(Scott Langdon)氏、ラーフル・ゴヤル(Rahul Goyal)氏がFTXオーストラリアとその子会社FTXエクスプレス(FTX Express)の任意管財人に選任された。

2022年11月14日、ASICはFTXオーストラリアのAFSライセンスを2023年5月15日まで停止していた。

破綻したFTXの現在

FTXは昨年11月、デジタル資産業界に激震を走らせた壮絶な破綻を受けて、米国連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請。

破綻までの数日間で、FTXの顧客は数十億ドルを引き出し、同社の流動性を低下させた。またライバルの取引所バイナンス(Binance)との救済取引も決裂し、ここ数年で最も注目を集めた暗号資産の崩壊を招いた。

なおFTXの創業者であるサム・バンクマン=フリード(Samuel Benjamin Bankman-Fried)氏は、詐欺の疑いで米国政府から刑事訴訟を起こされている。

FTXは現在、ジョイント・ベンチャーなどを通じて、FTX.com取引所の再開可能性を支援することについて、投資家と話し合いを続けていることが、FTXの現CEOであるジョン・J・レイ三世(John J. Ray III)氏の話として今年6月28日報じられていた。

またFTXは再スタートの一環としてブランド名を変更する可能性が高く、特定の既存ユーザーは再編後の事業体に出資する可能性があるとも伝えられている。

関連ニュース

    参考:ASIC
    デザイン:一本寿和
    images:iStocks/werbeantrieb

    関連するキーワード

    この記事の著者・インタビューイ

    髙橋知里

    「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

    「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

    合わせて読みたい記事

    マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

    米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した

    【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

    ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

    Sponsored