バイナンス、アルゼンチンサッカー協会との契約終了。契約義務が遵守されず

バイナンスがアルゼンチンサッカー協会との契約終了

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、アルゼンチンサッカー協会(AFA)とのパートナーシップ契約の終了決定を7月18日発表した。なお契約期間は5年間だったが、契約合意から約1年半にて両社のパートナーシップ契約は終了となった。

この契約終了についてバイナンスは、「残念ながら、時間と機会が提供されたにもかかわらず、AFAは契約上の義務を完全に遵守しなかった」とAFAに対し批判をしている。また「このことは、私たちのビジネス価値とパートナーシップの原則に反するもの」だとバイナンスアルゼンチン(Binance Argentina)の公式ツイッターを通じてコメントを出している。

AFAは昨年1月、ファンエンゲージメントプラットフォーム「Socios.com(ソシオスドットコム)」と提携し公式ファントークンの発行をしているにも関わらず、同様の契約をバイナンス(Binance)と交わした。

今回のパートナーシップ契約終了は、このことが発端となっている。

バイナンスおよびAFAは、アルゼンチンサッカー代表チームのグローバルスポンサー、AFAの公式ファントークン発行、そしてアルゼンチン国内サッカーリーグのネーミングに関して5年間の契約を昨年1月に締結。

しかしAFAは前年2021年5月に同様の契約を「Socios.com(ソシオスドットコム)」と交わし、同年7月にはアルゼンチンのサッカー1部リーグであるプリメーラ・ディビシオン(Primera Division)の名称をトルネオソシオスドットコム(Torneo Socios.com)にリブランド。さらに同年10月にAFAの公式ファントークンを「Socios.com」を通じて発行した。なお現在も同ファントークンは「Chiliz Exchange」にて取り扱いがある状態だ。

これについて「Socios.com」側は「重大な契約違反」であるとし法的措置を取ることを表明していた。なお「Socios.com」との契約期間は3年間であり、その契約期間中にAFAはバイナンスと5年間の契約を締結していた。

またバイナンスとの契約には「まもなく市場に投入される新しいファントークンの開発が含まれています」との記載があったが、契約から約1年半経った今日まで、バイナンスの「バイナンスファントークンプラットフォーム(Binance Fan Token Platform)」からAFAのファントークンが発行・販売されることはなかった。

バイナンスは今回の契約終了に際し、「バイナンスは引き続きアルゼンチンでの成長にコミットし、教育への取り組みや戦略的なビジネス提携をさらに拡大することを目標に、名門大学を含む現地のパートナーとの関わりを続けていきます」とコメントしている。

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    デザイン:一本寿和
    images:iStocks/SasinParaksa

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    大津賀新也

    「あたらしい経済」編集部
    記者・編集者
    ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

    「あたらしい経済」編集部
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