米コインベース、「Coinbase Wallet」にメッセージング機能を追加

コインベースがウォレットにメッセージング機能を追加

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)提供の「コインベースウォレット(Coinbase Wallet)」において、ウォレット間でのメッセージング機能がサポート開始された。コインベースが7月13日発表した。

発表によるとこの機能は、web3用のメッセージングプロトコル「XMTP(Extensible Message Transport Protocol)」を用いて実装されているという。これによりウォレット間で完全に暗号化されたメッセージングを用いたチャットが行えるとのこと。

またチャット画面から簡単にポリゴン(Polygon)上のUSDCを、ガス代を支払うことなく簡単に送金することも可能になっている。

現在この機能が利用できるのは、DeFi(分散型金融)のアーベ(Aave)が開発する分散型SNS構築サービス「レンズ・プロトコル(Lens Protocol)」の利用者が「コインベースウォレット」に「.lens」アカウントを認証させた場合と、「コインベースウォレット」の公式ツイッターに投稿されたプロモーションビデオ内のQRコードを読み込んだ「コインベースウォレット」ユーザーに限定されている。

「あたらしい経済」編集部が実際に試したところ、QR読み込みによるメッセージング機能の取得は「コインベース」ウォレットをダウンロードしたうえで、通常のカメラアプリで当該QRコードを読みウォレットを起動することでメッセージング機能の画面が表示される。以降は資産画面の右上にメールBOXアイコンが表示されるようになるため、そこからメッセージング機能の利用が可能になる。

メッセージが送信できるのは、「イーサリアムネームサービス(ENS:Ethereum Name Service)」の「.eth」や「cb․id」、またはレンズ・プロトコルの「.lens」などのドメインアドレスのうち、送信先のユーザーがコインベースウォレットや他の「XMTP」互換ウォレットに登録したアドレスのみとなる。

なおコインベースウォレットで受け取ったメッセージは、複雑な手順を必要とせず、「レンズ・プロトコル」上のオーブ(orb)やレンスター(Lenstar)などの「XMTP」を統合したほかのソーシャルアプリに安全にインポートできるとのことだ。

「ENS」は、複雑な文字列から構成される暗号資産のウォレットアドレスを認識しやすい「任意の文字列」と紐付けることができるイーサリアムブロックチェーン基盤のアドレスネーミングサービスだ。インターネットにおけるDNS(Domain Name System)のようなサービスである。

コインベースは昨年9月に同社オリジナルの「ENS」である「cb.id(Coinbase Decentralized ID)」の提供を開始している。「ENS」のうち最も一般的な「.eth」を用いたユーザーIDの取得は有料であるものの「cb․id」はコインベースウォレットから無料で取得可能となっている。

関連ニュース

    参考:コインベース
    デザイン:一本寿和
    images:iStocks/monkeybusinessimages

    関連するキーワード

    この記事の著者・インタビューイ

    田村聖次

    和歌山大学システム工学部所属
    格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
    SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

    和歌山大学システム工学部所属
    格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
    SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

    合わせて読みたい記事

    【4/4話題】イーサリアム「Pectra」メインネット実装は5/7に、米下院がステーブルコイン規制「STABLE法」可決など(音声ニュース)

    ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

    Sponsored

    米SEC、フィデリティのステーキング対応「ソラナ(SOL)現物ETF」の上場申請を受理

    米証券取引委員会(SEC)が、米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)によって提出された、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)「フィデリティ・ソラナ・ファンド(Fidelity Solana Fund)」の上場および取引に関する提案書を受理した。SECが4月3日に公表している

    ブラックロック、英国で暗号資産事業者の登録完了

    米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)の英国部門であるブラックロックインターナショナル(BlackRock International)が、英国の規制当局である金融行為監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)から、暗号資産(仮想通貨)事業者としての登録承認を4月1日付で受けた。登録情報はFCAの公式サイトで確認できる