イーサL2「StarkNet」、「Quantum Leap」アップグレードのガバナンス投票開始へ

StarkNetが7月13日にアップグレードを予定

イーサリアム(Ethereum)のL2スケーリングネットワーク「スタークネット(StarkNet)」が、同ネットワークの最新アップグレード「クアンタムリープ(Quantum Leap)」の実装に向けテストネットに新バージョンのプロトコルを日本時間7月6日に展開した。

またメインネットでの実装を決定するガバナンス投票も同日開始。投票は7月11日まで行われる。このガバナンス投票が承認された場合、7月13日ごろにメインネットでアップグレードが実施されるとのこと。なお記事執筆時点(7/6 14:30)では、全ての票が「賛成」に投じられている。

「クアンタムリープ」は、同ネットワークのトランザクション処理時間を短縮するためアップグレードだ。具体的には、オフチェーンでのデータ処理を行うシーケンサーをプログラミング言語「Rust」で実装することでスループットを10倍に向上させるという。

なお「クアンタムリープ」は、「スタークネット」を開発・提供するスタークウェア(StarkWare)と暗号化の難問に取り組むベンチャースタジオのLambdaClass(ラムダクラス)の協力によって実現された。

他にも「クアンタムリープ」では、「スタークネット」でスマートコントラクトを作成する際に使用するプログラミング言語「Cairo」の構文について、安全性と拡張性を向上させるための改善をしたという。また「スタークネット」内の特定のブロックのハッシュ値を取得するためのシステムコール追加など、いくつかの改善が「クアンタムリープ」に含まれているとのことだ。

スタークウェアは「クアンタムリープ」アップグレード後の目標も公開しており、短期目標としてユーザーエクスペリエンスとトランザクションの信頼性を向上させることに重点を置いた次のバージョンについて言及している。

また長期目標として、次に優先するべき課題として「取引コストの削減」を挙げている。

スタークネットは、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を活用したイーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン。現在大手DEX(分散型取引所)のdYdXなどが稼働しており、ブロックチェーン自体のTVLは約7081万ドルとなっている(7/6 L2Beat調べ)。

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    参考:ブログ
    デザイン:一本寿和
    images:iStoks/Blue-Planet-Studi

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    田村聖次

    和歌山大学システム工学部所属
    格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
    SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

    和歌山大学システム工学部所属
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