タイが暗号資産規制へ向けた新規則を交付、投資家保護のため

タイが暗号資産規制進める

タイ証券取引委員会(SEC)が、デジタル資産サービスプロバイダー向けに新たな規則の交付を7月3日発表した。

この新しい規則は投資家保護を目的としたものであり、主に2つの規則が設けられる。

1つ目は暗号資産に伴うリスクを投資家へわかりやすく伝えるための規則だ。デジタル資産サービスプロバイダーは7月31日より、暗号資産取引のリスク警告の開示が義務付けられる。具体的には投資家らに対し、「暗号資産はリスクが高いものです。暗号資産のリスクをよく学び、理解してください。投資額全体を失う可能性があるためです」といった警告メッセージを明示してサービス提供を行わなければならなくなる。

2つ目は融資サービスのリスクから投資家を保護するためのものだ。

 タイ証券取引委員会は8月30日より、デジタル資産サービスプロバイダーによる融資・ステーキングサービスの提供を禁止するという。これにより暗号資産プラットフォームが顧客から預託された暗号資産に対して何らかのリターンを提供することは禁止されることになる。

タイの暗号資産関連の動きについて

タイ中央銀行が「仮想銀行(バーチャルバンク)」の設立へ向けヒアリングを開始したと1月報じられていた。タイ中央銀行は、仮想銀行に関して、2024年に3種類のライセンスを発行し2025年に営業開始を許可する予定だという。

またタイ政府が国内で投資用トークンを提供する暗号資産企業に対し、法人所得税と付加価値税を免税対象とすることも今年3月に報じられている。

シンガポールも規制に関する文書発表

シンガポール金融管理局(MAS)も、暗号資産規制に関する新たな文書を7月3日発表した。

同文書は規制を正式に発表するもでのではないが、規制へ向けての焦点が概説されたものになっており、デジタル決済トークン(DPT)サービスプロバイダーに対し、消費者保護に関する複数の要件が述べられている。

具体的には、MASは、DPTサービスプロバイダーが個人顧客のDPT貸し出しやステーキングを促進することを制限する提案を進める予定だという。

またMASは、DPTサービスプロバイダーが不正な取引慣行に対処するための要件を提案する協議文書も別に発表。同文書では、法規定及び不正行為の種類も規定している。

はじめてのビットコインはメルカリで

関連ニュース

参考:タイSECシンガポール金融管理局
デザイン:一本寿和
images:iStoks/anutr-tosirikul

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/15話題】DMM CryptoのSeamoon Protocolが中止、FBIがポリマーケットCEO宅を捜索など(音声ニュース)

DMMのweb3事業「Seamoon Protocol」がプロジェクト中止、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサリアムに展開、FBIが「ポリマーケット」CEO宅を家宅捜索、携帯電話や電子機器を押収、英レボリュート、暗号資産取引プラットフォーム「Revolut X」をEU30カ国に拡大、テザー、幅広い資産のトークン化プラットフォーム「Hadron by Tether」提供開始、コインベースがユートピアラボ買収、「Coinbase Wallet」のオンチェーン決済機能拡充へ、イーサL2「リネア」、ガバナンス分散化に向け非営利団体を設立、LINEA発行へ、イーサリアム研究者、コンセンサス層の再設計で「Beam Chain」提案

Sponsored

イーサL2「リネア」、ガバナンス分散化に向け非営利団体を設立、LINEA発行へ

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2(L2)スケーリングソリューション「リネア(Linea)」が、同ネットワークをサポートするスイス拠点の非営利団体「リネアアソシエーション(Linea Association)」の設立と、2025年第1四半期にガバナンストークンLINEAの発行予定を11月13日発表した