「USDC」の「クロスチェーン転送プロトコル」がイーサL2「アービトラム」に対応開始、米サークル

USDCのクロスチェーン転送プロトコルがアービトラムに対応

米ドルステーブルコイン「USDC」をブロックチェーン間で転送する「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」が、アービトラム(Arbitrum)に対応開始した。「USDC」発行元であり「CCTP」開発元である米サークル(Circle Internet Financial)が6月27日発表した。

「CCTP」は「USDC」を転送元のチェーンで消滅(バーン)させ、転送先のチェーンで発行(ミント)する「バーンアンドミント(Burn and mint)」を採用することで、より安全に他のブロックチェーンに「USDC」を移動できる機能である。

今回のアービトラム対応は「CCTP」がサポートする3つ目のブロックチェーンだ。同プロトコルはイーサリアム(Ethereum)とアバランチ(Avalanche)の両メインネット間で最初にサポートされていた。今回の対応により、3つのブロックチェーン間でネイティブ「USDC」の転送が可能になった。

アービトラムはイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション。同ネットワークではスケーリング技術のひとつである「オプティミスティックロールアップ(Optimistic Rollups)」を採用し、イーサリアムの安全性を保ちつつオフチェーンでの高速処理を実現している。

なおサークルは、今月6月8日よりアービトラムブロックチェーン上での「USDC」ネイティブ発行を開始していた。それまでアービトラム上では、イーサリアム上で発行されたERC20トークンの「USDC」がブリッジされ、ラップドトークンの形で「USDC」が利用されていた。

「USDC」は現状でアービトラムの他に、イーサリアム、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ、ヘデラ(Hedera)、トロン(TRON)、ステラ(Stellar)、フロウ(Flow)の9つのブロックチェーンにおいてネイティブサポートされている。

なおポリゴン(Polygon)についてはブリッジトークンで、現状ネイティブサポートされていないとサークルのサイトに記載がある。またコスモス(Cosmos)ネットワークのエコシステムにおいてもトークン発行プロトコルのノーブル(Noble)を介して、ネイティブ対応する予定が3月に発表されている。

ちなみにアービトラムにおいて前述した「ロールアップ」とは、元となるブロックチェーンのセキュリティなどを活用しながら、ガス代(ネットワーク手数料)やネットワークの混雑解消を図るスケーリング技術のこと。アービトラムが採用する「オプティミスティックロールアップ」では、正当性の検証方法をレイヤー1(イーサリアム)に提出されるデータはすべて正当なものであるという楽観的(オプティミスティック)な前提に基づいて検証を行う手法にて、スケーラビリティを確保している。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/royyimzy・dalebor

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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