米リップル社、シンガポールで決済機関の原則承認を取得。APAC参入で

リップル社が主要決済機関の原則承認を取得

米フィンテック企業のリップル(Ripple)社のシンガポール支部にあたるリップルマーケッツAPAC(Ripple Markets APAC Pte Ltd)が、シンガポール金融管理局(MAS)から主要決済機関としての「原則承認」を取得した。リップル社が6月22日発表した。

これによりリップル社はシンガポールにおいてデジタル決算トークン商品とサービスの提供と、同社の暗号資産(仮想通貨)技術活用のオンデマンド流動性(ODL)プラットフォームの利用拡大が可能となったとのこと。

なお2022年には、世界のオンデマンド流動性(ODL)取引の過半数が、シンガポールにて行われたという。この動きを受けリップル社は過去1年で、シンガポール支部のビジネス開発、コンプライアンス、財務、法務、営業などの主要部門において前年比50%増の50人の人員増強を行ったとのことだ。

リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)氏は「シンガポールは、世界有数の金融センターであり、アジア太平洋地域におけるビジネス参入への有力な入口。MASから原則承認を取得して、同地域のみならず、世界の規制当局との継続的かつ積極的な関わりへのコミットメントを改めて表明できることを大変誇りに思う」と述べ、今後もMASとの連携を強めていくと伝えている。

シンガポールにおける各社のライセンス取得状況

シンガポールにおける暗号資産規制は強化傾向にあるが、各社はAPAC戦略においてシンガポール市場を重要視している傾向にある。

昨年10月には米大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)が、シンガポールにおける主要決済機関としての原則承認(IPA)を取得。なおこの承認はパクソス(Paxos)やクリプトドットコム(Crypto.com)、シンガポール最大の銀行DBSが運営する証券会社であるDBSヴィッカーズ(DBS Vickers)、そしてSBIグループのSBIデジタルマーケッツ(SBI Digital Market)など十数社が取得している。

なお今年6月には、米ドルステーブルコイン「USDC」を発行するサークル・インターネット・フィナンシャル(Circle Internet Financial)も、IPAを取得した。

なおクリプトドットコムは今年6月、MASよりデジタル決済トークン (DPT) サービスの主要決済機関 (MPI) ライセンスも取得している。

シンガポール金融管理局(MAS)は昨年10月、暗号資産取引業者への規制強化案を含む協議報告書を公開。

今年1月には、暗号資産取引業者に対して広告活動を制限する規制を導入している。これにより、暗号資産取引業者は自社ウェブサイト、アプリ、SNSアカウント以外を使って宣伝することができなくなった。また、この影響でシンガポール国内の暗号資産を扱うATMも閉鎖されることとなっている。

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参考:リップル
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Abscent84・Kandl

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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