テラ創設者ド・クオン氏らに懲役4カ月の実刑判決、文書偽造の罪で

クオン氏と側近に4カ月の懲役刑

モンテネグロの裁判所が、テラフォームラボ(Terraform Labs)の創業者ド・クオン(DoKwon)氏と同氏の側近であるホン・チャンジュン(Hon Chang Joon)氏に懲役4カ月の実刑判決を下した。裁判所が6月19日発表している。

裁判所の発表によれば、この判決には「刑の重さを決定するためにすべての関連する状況が考慮された」という。なお4カ月の懲役刑には3月23日から6月15日までの拘留期間も量刑に含まれるとのことだ。

また裁判所は、クオン氏とチャンジュン氏が所有していた、偽造されたコスタリカ及びベルギーのパスポートそれぞれ2枚と身分証明書2枚の没収も命じている。

なおクオン氏らには、判決文を書面で受け取った後、8日間の期限付きで控訴する権利が与えられている。

クオン氏逮捕の経緯

クオン氏は、「テラ:Terra(LUNA:ルナ)」と「テラUSD:TerraUSD(UST)」を運営するテラフォームラボの元CEOである。

法定通貨の価格に連動する「ステーブルコイン」としてかつては世界の暗号資産上位10位内に入っていたテラUSDは、昨年5月に破綻。USTやLUNAなどの暗号資産(仮想通貨)が無価値となった。これにより世界の投資家の間で総額420億ドルの損失が発生したとの試算もあり、投資家らからクオン氏は詐欺で訴えられている。その後インターポールの手配リストにも掲載された。

クオン氏とチャンジュン氏は3月、モンテネグロの首都ポドゴリツァの空港にてドバイ行きの飛行機に乗ろうとしたところ、フライトのパスポート審査で偽造パスポートを使用したとして、文書偽造の犯罪容疑がかけられ拘束された。ポドゴリツァの裁判所は2人に30日間の公判前勾留を命じていた。

その後5月12日に下級裁判所、クオン氏とチャンジュン氏をそれぞれ40万ユーロ(約5901.4万円)で、監督付き保釈することに合意した。しかし同月24日にモンテネグロ最高裁判所は、この保釈裁定を却下している。

なお昨年6月には、韓国捜査当局がテラプロジェクトの関係者に出国禁止令を出し、同年9月には、韓国の裁判所がド・クオン氏を含む6人に逮捕状を発布していた。

またクオン氏とテラフォームラボは今年2月20日、米証券取引委員会(SEC)より証券詐欺指揮の罪で提訴されている。

韓国及び米国の当局は、クオン氏とチャンジュン氏の身柄とコンピュータの引き渡しを要請している。

はじめてのビットコインはメルカリで

関連ニュース

参考:発表
デザイン:一本寿和

images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/15話題】DMM CryptoのSeamoon Protocolが中止、FBIがポリマーケットCEO宅を捜索など(音声ニュース)

DMMのweb3事業「Seamoon Protocol」がプロジェクト中止、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサリアムに展開、FBIが「ポリマーケット」CEO宅を家宅捜索、携帯電話や電子機器を押収、英レボリュート、暗号資産取引プラットフォーム「Revolut X」をEU30カ国に拡大、テザー、幅広い資産のトークン化プラットフォーム「Hadron by Tether」提供開始、コインベースがユートピアラボ買収、「Coinbase Wallet」のオンチェーン決済機能拡充へ、イーサL2「リネア」、ガバナンス分散化に向け非営利団体を設立、LINEA発行へ、イーサリアム研究者、コンセンサス層の再設計で「Beam Chain」提案

Sponsored

イーサL2「リネア」、ガバナンス分散化に向け非営利団体を設立、LINEA発行へ

イーサリアム(Ethereum)レイヤー2(L2)スケーリングソリューション「リネア(Linea)」が、同ネットワークをサポートするスイス拠点の非営利団体「リネアアソシエーション(Linea Association)」の設立と、2025年第1四半期にガバナンストークンLINEAの発行予定を11月13日発表した