バイナンスがオランダから撤退へ、VASPライセンス取得失敗で

バイナンスがオランダから撤退

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、オランダから撤退すると6月16日発表した。

これはオランダの規制当局から、暗号資産サービスプロバイダー(VASP)ライセンスを取得できなかったためだ。

発表にてバイナンスは「オランダの規制を遵守してオランダの住民にサービスを提供するために多くの代替手段を模索したが、オランダでのVASP登録には至らなかった」と報告。同社はオランダでのVASPライセンスを取得できるように引き続き努力すると伝えている。

なおこの撤退により、オランダ居住の新規ユーザー受け入れは即座に停止された。また既存のオランダユーザーは2023年7月17日00:00(協定世界時)以降の購入、取引、入金は不可能となる。なお資産の引き出しは可能とのことだ。

バイナンスはオランダユーザーに対し、資産の引き出しを促している。またバイナンスは、今後の手続き手順や総合的な情報をまとめた電子メールをユーザー宛に送付したことを報告している。

過去にオランダ中銀から罰金も

バイナンスは2022年7月、オランダ中央銀行(DNB)より約4.6億円(332.5万ユーロ)の罰金を科されている。

この罰金は、バイナンスがオランダで暗号資産関連のサービスを提供する際に必要である「マネーロンダリング及びテロ資金供与防止法(Wwft)」の登録を完了する前に、同国においてサービスを提供していたことに対して科されたものだ。

EUに注力する姿勢

今回バイナンスは、EUにおいてフランス、イタリア、スペイン、ポーランド、スウェーデン、リトアニアなど多くの国でライセンスを取得していることを引用し、AMLやテロ資金調達防止に関するEUの基準に準拠していることを強調。引き続き規制当局と協力し、新たにEU法に加わる資産市場規制法案(MiCA/マイカ)に準拠することを目指すと伝えている。

MiCAで行われること

MiCAでは、暗号資産業界における市場の乱用・インサイダー取引や操作行為を防ぐフレームワークが提供される。また、暗号資産の発行者・暗号資産取引所・ウォレットプロバイダーの登録と認証が行われるとのこと。

またステーブルコインの発行者は特定のセキュリティ・リスク軽減要件を満たす必要があり、カストディサービスに対しては、サイバーセキュリティや運用が失敗した場合の問題に対処するのに十分なセキュリティと安全対策を確保することを義務づけるとのことだ。

はじめてのビットコインはメルカリで

関連ニュース

参考:バイナンス
デザイン:一本寿和

images:iStocks/Abscent84・butenkow

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【12/20話題】NTTドコモのERC6551搭載ゲームβ版、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」正式承認など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored