「STEPN」のNFTスニーカー、「Apple Pay」でアプリ内から直接購入可能に

STEPNがApple Payと統合

Move-and-Earn(動いて稼ぐ)web3ゲーム「STEPN(ステップン)」のNFTスニーカーの購入が、米アップル社提供の「Apple Pay」を介して購入が出来るようになった。「STEPN」の公式SNSより5月22日発表された。

ユーザーは自身のクレジットカード等を登録した「Apple Pay」から「SPARK」というポイントを購入し、「SPARK」を利用してNFTスニーカーの決済を行う。1SPARKは0.1ドル(10SPARKで1ドル)とのことだ。

なお「STEPN」はAndroid版も提供されているが、今回の対象はiOS版の「STEPN」となる。

「STEPN」はリリース当初、アプリ内でNFTスニーカーを直接販売するマーケットプレイスを提供していた。しかし、アプリ内課金の30%徴収やNFT送信のために必要なガス代(手数料)の30%徴収といったアップルの方針を受けてか、「STEPN」はNFTマーケットプレイスをアプリ外へ移していた。

今回の「Apple Pay」対応により、「STEPN」のアプリ内マーケットプレイスは復活している。ただし、リリース当初のような暗号資産(仮想通貨)による決済手段には対応していない。暗号資産にてNFTスニーカーを購入する場合は外部マーケットプレイスを引き続き利用する必要がある。

なお「あたらしい経済」が「STEPN」開発元のFind Satoshi Lab(ファインドサトシラボ)のCROであるマーブル・ジアン(Mable Jiang)氏に確認を取ったところ、今回の「Apple Pay」対応によって販売したスニーカーについては、その売上の30%をアップルへ納めているとのこと。そのような事情もありアプリ内マーケットプレイスで販売されているNFTスニーカーは、外部マーケットプレイスでの販売額より若干高額になっているとのことだ。

ただし今回の取り組みは、新たなユーザーへ「STEPN」の参入機会を増やす機会になるとみられる。「STEPN」を始めるために必要なNFTスニーカーが、暗号資産やweb3ウォレットを準備せずに購入可能になるからだ。

Find Satoshi Lab共同創業者ヤン・ロン(Yawn Rong)氏は発表にて「今回の統合により、私たちは全く新しいオーディエンスに開かれ、Web3をより大衆に身近なものにすることができるのです。この統合は、Web2とWeb3の技術間のギャップを前例のない方法で埋めるものです。私たちは、この統合が、次の1億人のユーザーにWeb3技術を提供するための重要なステップであると信じています」とコメントをしている。

なおアップルは先月4月、米エピックゲームズ(Epic Games)との裁判の中で規約変更のうえ、外部決済を認めるよう指示されている。なおこの裁判は、エピックゲームズがApp Storeでのアプリストア課金時に徴収される30%の手数料を不服とし、それを回避するためにゲーム内アイテムをエピックゲームズのWebサイトで購入できるようにしたことから始まっている。

それを受けてかアップルは、今月18日に一部地域のApp Storeにて公開されたブロックチェーンゲーム「Axie Infinity: Origins」のiOS版について、ユーザーにより外部から購入されたNFTをApp Storeにおいて公開されたゲームとして初めて利用可能にしている。

STEPNとは

STEPNは、web3系フィットネスゲームの代表作。ピーク時のデイリーアクティブユーザー数は約100万人に達した実績がある。またSTEPNは 「Move to Earn(M2E)」と呼ばれるモデルであり、NFTの「デジタルスニーカー」を履いて歩いたり走ったり運動することで、その歩数に応じてユーティリティトークンの「GST:グリーンサトシトークン」を稼ぐことができる仕組みになっている。

「GST」でスニーカーステータスのレベルアップなどが行える他、ガバナンストークンの「GMT」も必要に応じて使用する仕組みになっている。

現在「STEPN」はソラナ、BNB Chain、イーサリアムの3つのブロックチェーン上で稼働しており、「GST」および「GMT」はソラナのSPL規格、BNBのBEP-20規格、イーサリアムのERC-20規格のトークンとしてそれぞれのブロックチェーン上で発行されている。

22年4月には国内大手スポーツブランドの「アシックス」とコラボした他、22年8月にはスペインの強豪サッカークラブ「アトレティコ・マドリード」と提携を発表して大きな反響を呼んだ。 また同年8月には、LINE Xenesis株式会社とLINEの独自ブロックチェーン「LINE Blockchain」を活用したSTEPNの日本ローカライズ化に向けた発表も行なっている。

関連ニュース

参考:STEPN
デザイン:一本寿和
images:iStocks/FlashMovie

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【12/20話題】NTTドコモのERC6551搭載ゲームβ版、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」正式承認など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored