VisaがGoerliでアカウント抽象化の実験を開始
米決済大手ビザ(Visa)が、イーサリアム(Ethereum)のテストネットの一つ「Goerli(ゴエリ)」で「アカウント抽象化(Account Abstraction)」機能を搭載したスマートコントラクトの実験を行っていたことが、5月18日のTheBlockの報道により分かった。
ビザは、このテストの詳細についてレポートで説明している。
そのレポートによると、同社は現在「アカウント抽象化」の利用により、ステーブルコインなどのERC-20トークンを手数料として利用できるように「Goerli」上でスマートコントラクトのテストを実施しているという。
なお同社は2022年12月にブログで「アカウント抽象化」について触れており、「ビザの提案は、自動支払いなどの馴染みのある支払い体験をブロックチェーンエコシステムにもたらすのに役立つ可能性があります」と語っている。
「アカウント抽象化」とは、一般的に利用されるアドレスであるEOA(Externally Owned Accounts)からスマートコントラクトを直接操作できるようにする概念である。「アカウント抽象化」を利用するとユーザーは、ガス代を任意のトークンで支払ったり、簡単に複数の端末でアドレスを共有できるなど多くの利点がある。
「アカウント抽象化」の概念自体は古くから提唱されているが、これを実現するためにはイーサリアムのプロトコル自体を変更する必要があると言われてきた。
しかし、2021年9月にプロトコルの変更を必要としない「アカウント抽象化」の実装規格「ERC-4337」が提案された。この規格は現在でもドラフト中であり完全版でないものの、コミュニティにより改良が続けられている。
ビザは以前からブロックチェーン分野に注力しており、暗号資産部門「Visa Crypto」が存在する。また同社は2月に暗号資産決済プラットフォーム提供のワイレックス(Wirex)との戦略的パートナーシップ締結している。
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参考:VISA
デザイン:一本寿和
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