MiCAが法制化への歩み進める
欧州連合(EU)全メンバー国の財務大臣からなる経済金融問題理事会が、暗号資産(仮想通貨)市場規制法案(MiCA/マイカ)を5月16日採択した。
この採択は、MiCAにおける立法プロセスの最終段階となる。MiCAは今夏に欧州連合広報に掲載され、発効予定とのこと。ステーブルコインに関する規制は1年以内に、その他の規制は1年半後に施行されるという。このプロセスを経てMiCAは正式にEU法となる予定だ。
スウェーデンの財務大臣で、理事会議長国として協議の議長を務めたエリサベト・スヴァントソン(Elisabeth Svantesson)氏は声明にて「本日、暗号資産分野の規制を開始するという約束が実現したことを大変うれしく思う。私たちは昨今の出来事から、これらの資産に投資した欧州人の保護を強化し、マネーロンダリングやテロ資金供与の目的での暗号資産産業の悪用を防止する規則を課す緊急の必要性を認識していた」とコメントしている。
MiCAは、EU(欧州連合)の暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダーに向けて包括的な暗号資産市場規制を示す法案である。その目的は、投資家保護だ。2020年9月に原案が提出され、2022年6月に欧州理事会にて暫定合意に達し、その後立法化が進められていた。
4月20日にはEU議会がMiCAを可決。合意文書には、市場操作に対する対策・マネーロンダリング・テロ資金調達・その他の犯罪行為を防止するための対策が盛り込まれていた。
MiCAで行われること
MiCAでは、暗号資産業界における市場の乱用・インサイダー取引や操作行為を防ぐフレームワークが提供される。また、暗号資産の発行者・暗号資産取引所・ウォレットプロバイダーの登録と認証が行われるとのこと。
またステーブルコインの発行者は特定のセキュリティ・リスク軽減要件を満たす必要があり、カストディサービスに対しては、サイバーセキュリティや運用が失敗した場合の問題に対処するのに十分なセキュリティと安全対策を確保することを義務づけるとのことだ。
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参考:EU理事会
デザイン:一本寿和
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