AppleがEpic Games訴訟でApp Store外部決済容認の命令受ける、web3企業に恩恵あるか

アップルがほぼ勝訴

米エピックゲームズ(Epic Games, Inc.)が米アップル(Apple)に起こした反トラスト法(独占禁止法)の訴訟は、アップルが10件中9件の控訴裁判に勝訴する形となった。4月24日の判決で明らかとなった。

この裁判は2020年、米国連邦地方裁判所にエピックゲームズがアップルを提訴したことで始まった。エピックゲームズはApp Storeでのアプリストア課金時に徴収される30%の手数料を不服とし、それを回避するためにゲーム内アイテムをエピックゲームズのWebサイトで購入できるようにした。

それを受けアップルは、エピックゲームズが規約違反を犯したとして同社人気ゲーム「フォートナイト(Fortnite)」をApp Storeから削除。これによりエピックゲームズはアップルを提訴し、アップルはこれを反訴していた。

一審の判決でエピックゲームズは、外部決済導入時に得た1200万ドル(約16億円)の30%をアップルに対し支払うよう命じられた。ただしアップルは規約変更のうえ、外部決済を認めるよう指示されている。

この判決に対し、アップルは外部決済を容認する規約の変更を不服とし上訴を申請。それを受けエピックゲームズはアップルが反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとして上訴した。しかし、控訴裁判の判決は一審判決から覆らず、アップルは外部決済を容認する規約変更に応じるよう求めれている。またエピックゲームズの主張はほとんどが却下された。

暗号資産・NFTアプリ開発者に恩恵も

もしアップルが規約の変更に応じれば、暗号資産やNFTアプリ開発者が恩恵を受けることになるだろうという見方もある。

エピックゲームズのCEOであるティム・スウィーニー(Tim Sweeney)氏は4月25日のツイッターで、アップルが第9巡回裁判所で勝訴したことを伝えたが、「幸いなことに、アップルの反ステアリング条項を却下した裁判所の肯定的な判決により、iOS開発者は消費者に外部決済を行うことができる。私たちは次のステップに取り組んでいる」とツイートしている。

関連ニュース

参考:裁判資料
デザイン:一本寿和
images:iStock/gorodenkoff

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【9/6話題】テレグラムCEOが逮捕後初の声明、トランプが米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言など(音声ニュース)

テレグラムCEO、逮捕後初の声明発表。同社使命に同意できない国からは撤退の意志も、トランプ、米国を「暗号資産とBTCの世界的中心地」にすると宣言。イーロンマスクと共に米政府財務監査行う姿勢も、スイ(SUI)、機関投資家向け米ドルステーブルコイン「AUSD」利用可能に、モジュラーブロックチェーン「Elixir」、最終テストネット公開、EigenLayer、メジャーアップデート「アイゲンポッドアップグレード」導入、FlowがEVM対応開始、メタマスクでも利用可能に、TONブロックチェーン、総トランザクション数が10億件を突破、半数は3か月、Penpieで27Mドルの不正流出、Pendleは105Mドルの保護に成功

Sponsored

暗号資産決済Mercuryoがマルチチェーンデビットカード提供開始、マスターカードと提携で

暗号資産(仮想通貨)決済プラットフォーム「マーキュリョ(Mercuryo)」が決済大手の米マスターカード(Mastercard)と提携し、ノンカストディアル型のウォレットから暗号資産を直接使えるマルチチェーンデビットカード「スペンド(Spend)」の提供開始を9月5日発表した