米SEC、DeFiにも取引所レベルの規制適用する提案議決

DeFiも取引所規定の対象に

米証券取引委員会(SEC)が同委員会の規則において、「取引所」の定義を再定義する提案を4月14日発表。同提案は3対2で議決した。これにより分散型金融(DeFi)にも適用される可能性が出てきた。

この提案はSECの委員及びスタッフらの公開会議において、SEC委員長のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が発言したものだ。同氏はこの規則改正案で特定のブローカーをさらなる監視下に置くとともに、取引所を定義する規則を「近代化」することで、投資家・市場に利益をもたらすと述べた。

なお同提案での「取引所」は「構造化された方法を通じて証券の買い手・売り手を集めて取引を行う」システムだという。この定義に従えば、資産の売買のために買い手・売り手を繋ぐDeFiプロジェクトも対象となる可能性がある。

今後この提案は、SECを率いる民主党多数派の委員会投票にかけられるようだ。

SECは今回の提案について一般からのコメントを30日間募集している。

反対票の意見について

今回の提案に投票した5人のうち2人はこれに反対している。共和党のへスター・ピアース(Hester Peirce)委員は、SECが、問題のない領域にも規制範囲を広げていると指摘。また同氏は取引所規則にDeFiを適用すれば、ブロックチェーンのマイナーおよびバリデーターも対象となる恐れがあるのではないかと述べている。

また共和党のマーク・ウエダ(Mark Uyeda)委員は、すでに現在の規則は取引所以外にも適応され、虚偽の記述・市場操作防止は広く適用されていると指摘。取引所の規制枠へ、DeFiを含むより多くの事業者を巻き込む理由はいかなるものかと述べている。

なおゲンスラー氏は昨年4月、ペンシルベニア大学でのスピーチにおいて、DeFiにも取引所レベルの規制すべきという自身の考えを明かしていた。

関連ニュース

参考:SEC
デザイン:一本寿和
images:iStock/sasha85ru

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【4/4話題】イーサリアム「Pectra」メインネット実装は5/7に、米下院がステーブルコイン規制「STABLE法」可決など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

米SEC、フィデリティのステーキング対応「ソラナ(SOL)現物ETF」の上場申請を受理

米証券取引委員会(SEC)が、米証券取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)によって提出された、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)の現物価格に連動するETF(上場投資信託)「フィデリティ・ソラナ・ファンド(Fidelity Solana Fund)」の上場および取引に関する提案書を受理した。SECが4月3日に公表している

ブラックロック、英国で暗号資産事業者の登録完了

米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)の英国部門であるブラックロックインターナショナル(BlackRock International)が、英国の規制当局である金融行為監督機構(Financial Conduct Authority:FCA)から、暗号資産(仮想通貨)事業者としての登録承認を4月1日付で受けた。登録情報はFCAの公式サイトで確認できる