モンテネグロ中銀がリップルと提携、CBDCパイロット版開発へ

市民の金融アクセス向上への新たな一歩

モンテネグロ中央銀行(CBCG)が、米フィンテック企業のリップル(Ripple)社と提携し中央銀行デジタル通貨(CBDC)のパイロット版開発に乗り出す。リップル社が4月11日発表した。

発表によると、このパイロット版プロジェクトでは、デジタル通貨・国家ステーブルコインの実用的な用途を特定し、制御された条件下で流通・使用方法をシュミレーションするための設計などを作るという。

モンテネグロ中央銀行のラドイェ・ズギッチ(Radoje Zugic)総裁は「このプロジェクトを通じて、CBCGはモンテネグロ政府およびモンテネグロの学界と協力して、主要なブロックチェーン技術の機能性と可能性をテストするための実用的なデジタル通貨または安全な通貨ソリューションを作成する予定だ。また、電子決済手段の可用性、セキュリティ、効率性、規制への準拠、そして最も重要なエンドユーザーの権利とプライバシーの保護に関して、CBDCまたは国家ステーブルコインの利点とリスクを分析する」とコメントしている。

なおコインテレグラフの報道によると、パイロット版の詳細は今年後半に明かされ、プロジェクトは今月にも開催される予定だという。またトライアルはサンドボックス内で行われるとのことだ。

モンテネグロは、ユーロを通貨として使用している。また同国はEU加盟国入りを目指し、加盟交渉中だ。もし加盟国入りを果たしたのち、欧州中央銀行(ECB)がデジタルユーロを導入すれば、デジタルユーロが採用されることになる可能性が高い。

なお現在進行中のデジタル・ユーロ・プロジェクトは、2023年の第1四半期には完了する予定としている。欧州中央銀行(ECB)はデジタルユーロの発行に向け、2年間に及ぶ調査フェーズを開始することを2021年7月に発表していた。

関連ニュース

参考:リップル社
デザイン:一本寿和
images:iStock/pgraphis

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

Sponsored

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された

フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開

米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、「オンチェーン米国政府マネーファンド(OnChain U.S. Government Money Fund:FOBXX)」をイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ブロックチェーン「ベース(Base)」上でローンチした。フランクリン・テンプルトンが公式Xにて10月31日発表した