上場企業のSTローンチは初
トークン化プラットフォームのINXが、グリーンブライアー・キャピタル(Greenbriar Capital Corp.)が発行する株式をセキュリティトークン(証券トークン/ST)としてローンチする。INX Digital Company(INX)が4月3日発表した。
グリーンブライアー・キャピタルは、一般向け住宅や再生可能エネルギーの大手開発会社。米国およびカナダに上場している。米国店頭取引市場(US OTC)ではGEBRF、トロント証券取引所ではGRBのティッカーシンボルで同社株式は取引されている。
INXによると今回の取り組みにより、上場企業として初めて株式がSTとしてパブリックブロックチェーン上で取引されるようになるとのこと。
またトークン化された同社株式では、従来の株主と同じ特典を受けることができるという。同株式はINX運営のST及び暗号資産(仮想通貨)を取り扱うプラットフォーム「INX.One」で24時間365日いつでも売買可能とのこと。またINXは、これらの株式について、「規制対象の証券であり、投資家に完全な法的保護が提供される」と強調している。
INXの副CEO兼COOのイタイ・アヴネリ(Itai Avneri)氏は「INXにとって、上場企業の株式を初めてトークン化して米国・海外の投資家に提供することは、刺激的な次のステップだと言える。また、デジタル経済の成熟度における重要な変曲点を示すものであり、現在および近い将来、米国または国際的な上場企業が、トークン化された株式・デジタルADR(米国預託証券)
またはデジタル債券のいずれかの形で、事業をデジタル化することを期待する」とコメント。
グリーンブライアー・キャピタルのCEOジェフ・シアチャースキー(Jeff Ciachurski)氏は「私たちは、投資の完全民主化を深く信じている。グリーンブライアの投資機会を、平均8,000~9,000株を保有する3,000~4,000人の一般株主だけに限定するのではなく、デジタル化によってアクセス数を飛躍的に増やし、公開トークン保有者を増やすことで、世界中のSTエコシステムのすべての人に所有機会を提供する」と述べている。
INXは2021年5月、米証券取引委員会(SEC)に登録したINXのSTの新規公開株式(IPO)をクロージング。250人以上の個人および機関投資家から8400万ドルの総収入を獲得した。またこのIPOでは、9,290万個のINXトークンが販売されたとのことだ。
リリースによるとINXは「今後も世界中の企業や法人に斬新な取引や資金調達の金融商品を提供し、業界をリードしていく」と述べている。
「INX.One」は昨年12月、アバランチ(AVAX)ブロックチェーンと機能統合することを発表。また、3月16日にはポリゴン(Polygon)ブロックチェーンとの統合を発表している。
また3月22日には「INX.One」にて、STの「トラックパル(Trucpal)」の初回配当分配を行うことを発表している。
Public company shares on the blockchain?
— INX (@INX_Group) April 3, 2023
Witness the future in action!
Proud to team up with @Greenbriarcorp to tokenize its GEBRF traditional shares in an industry-first!https://t.co/sS4p5MIwa3
関連ニュース
- INXのデジタル資産プラットフォーム、アバランチ(AVAX)と機能統合へ
- INX、セキュリティトークン「Trucpal」の初回配当開始へ
- GMOトラストとINXが提携、ステーブルコイン「GYEN」と「ZUSD」上場へ
- デジタル資産取引プラットフォームINXがデジタル証券プラットフォームのオープンファイナンス・セキュリティーズの買収契約を締結
- 暗号資産取引プラットフォームINXがIPO形式で自社セキュリティトークンを販売
参考:INX
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Максим-Ивасюк・Thinkhubstudio