仕組み債のDeFi「Cega」がイーサリアム上にローンチ、レバレッジオプションの新商品提供も

Cegaがイーサリアム上にローンチ

日本発のDeFi(分散型金融)プロジェクト「Cega(セガ)」が、新たにEthereum(イーサリアム)メインネット上でローンチされた。「Cega」開発元のCega Finance(セガファイナンス)が4月1日発表した。

「Cega」は、債券とオプションを組み合わせた仕組債をブロックチェーン上で取り扱う初のプロトコルとして、2022年6月にSolana(ソラナ)ブロックチェーン上にメインネットローンチ。今回のイーサリアムでのローンチは同プロトコルにおいて、初のマルチチェーン展開となる。

今回「Cega」がイーサリアム上にローンチしたことにより、EVM互換の主要ウォレットであるMetamask(メタマスク)やCoinbase Wallet(コインベースウォレット)、WalletConnect(ウォレットコネクト)にも対応可能になったとのこと。またFireblocks(ファイアブロックス)やGnosis Safe(グノーシスセーフ)といった暗号資産管理プラットフォームを利用しているユーザーも「Cega」にアクセスが出来るようになったという。

またセガファイナンスによるとイーサリアム上の「Cega」は、ブロックチェーンセキュリティ監査機関のOttersec(オッターセック)、Zellic(ゼリック)によって監査され、脆弱性も見つからず、指摘された修正点についても改善を完了しているとのことだ。

レバレッジオプションの新商品「Leveraged Options Vaults」の提供も

またセガファイナンスはイーサリアムメインネットでの「Cega」ローンチと同日、新たなステーキング商品「Leveraged Options Vault(LOV)」の提供予定も発表している。

「LOV」は通常の5倍の利回り(APY 20%〜109%)を得られる商品とのことで、4月上旬にイーサリアム上の「Cega」にのみ提供を行うとしている。

発表によると「LOV」は、追加の担保を差し入れる必要なくレバレッジをかけて利益を得られるソリューションだという。従来のレバレッジ商品とは異なり、「LOV」はマージン口座のユーザー資金償還や過剰担保の用意のために追加の流動性を持つ必要がないため、流動性の断片化やレバレッジ商品のスケールが難しいといった問題を解決できると説明されている。

なお「LOV」で得られる利益は、オプションの実際の売却益であり、何らかのトークンを発行・売却して生み出した利益を充てることは無いという。収益は米ドルステーブルコインのUSDCで支払われ、ユーザーにインパーマネント・ロス(流動性マイニングにおける暗号資産の価値変動による損失)を発生させることはないとのことだ。

セガファイナンスは各種「LOV」と対応する期待収益を次のように公開している。なおAPY(年率利回り)は2023/3/24時点になるとのこと。

【Gotta Go Fast】APY21.0%~30%、原資産BTC, ETH, SOL、元本保護バリア50%。

【Insanic】APY25.4%~47%、原資産ETH, SOL, AVAX、元本保護バリア50%。

【Supercharger】APY39.2%~109%、原資産BTC, ETH、元本保護バリア30%

Cegaとは

「Cega」は、基本的なオプション (コール、プット等)と高度な条件を付加したエキゾチックオプションを組み合わせた仕組債にステーキングできるサービスだ。この仕組債はノックインとノックアウトのバリアオプションとプットとコールのバスケットオプションの条件を付与したフィクスト・クーポン・ノート(FCNs)として組成しているとのこと。

「Cega」は厳しい市況にも対応できる元本補償機能を備えることで、比較的リスクを抑えて収益を上げられる暗号資産の仕組債パッケージを提供しているという。

「Cega」の仕組債は特徴的な仕組みをユーザーに提供し、カスタマイズされた機能を追加できるという点で、基本的なオプション取引とは差別化されているとのこと

一例として、ユーザーが「Cega」上でUSDC建てで取引できる仕組債は、「BTCかETHのどちらかがこれから27日間で50%以上下落しない場合、年率約12%のUSDC金利を得る」といった複数のオプション取引を組み合わせた投資戦略(ストラテジー)を有した製品となるとのことだ。

「Cega」開発元のセガファイナンスは先月3月28日、約7億円(500万ドル)の追加調達完了を発表していた。また今回の発表と同日4月1日にトレーディング・マーケットメーキングを専門とするグループ企業Tras Mobian(トラスモビアン)を設立したことも発表している。

なおセガファイナンスの共同設立者兼CEOである豊崎亜里紗氏は、投資銀行のUBS証券、グーグル(Google)でのキャリアを持つ人物だ。

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デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ihor-Tsyvinskyi

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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