ポリゴンと欧州企業ら、EU規制準拠ステーブルコイン「EUROe」を「GEN-X」テストネットローンチへ

「EUROe」、「GEN-X」テストネットローンチへ

ポリゴンラボ(Polygon Labs)が、EU規制に準拠したステーブルコイン「EUROe」を13日発表した。

このステーブルコインはフィンランドのフィンテック企業Membrane FinanceとドイツのWeb3ソフトウェア企業deltaDAOが提携し開発するという。ポリゴン提供の「ポリゴンスーパーネット(Polygon Supernet)」にて構築されたネットワーク「GEN-X」のテストネットワークにローンチされる。

「EUROe」は企業向けに開発されたステーブルコインで、迅速かつ安価な国際決済の実現や、欧州のAI・データ基盤構築プロジェクトである「Gaia-X」関連のアプリケーションに統合し、ユーロ建ての価値移転を自動化・プログラム化できるとのこと。

また電子マネーとして、プライベートブロックチェーンや非ブロックチェーン環境上で利用可能だという。

「EUROe」は、EUにおいてフィンランド金融監督庁(FIN-FSA)によりヨーロッパ通貨機構(EMI)に登録されており、常にユーロと1:1で交換することが可能だという。

deltaDAOの共同創設者カイ・マインケ(Kai Meinke)氏は「欧州が世界で戦うためには、現在の市場の不均衡を克服し、よりデジタルな競争力をつける必要がある。EUROeをGEN-Xネットワークに統合することで、シームレスで摩擦のないデジタル経済の実現に一歩近づくことができ、断片的な決済アプローチを用いるプラットフォームソリューションと比較して、すべての参加者に競争優位性をもたらす」とコメント。

Membrane FinanceおよびEUROeプロジェクトのCEOであるユハ・ヴィイタラ(Juha Viitala)氏は、「deltaDAOおよびPolygon Labsと協力し、数多くの企業、政府プロジェクト、産業部門に利用されているデータとAIの世界最先端のエコシステムの1つであるGaia-XコミュニティでEUROeを利用できることを光栄に思っている」と述べた。

ポリゴンスーパーネットとGaia-Xについて

「ポリゴンスーパーネット」は、ポリゴンが昨年4月に発表したサービスだ。ポリゴンのシステムを用いてサービスに最適なネットワークを各自で作ることが出来る「ポリゴンエッジ(Polygon Edge)」を搭載したサービスであり、これを利用することでユーザーはコストをかけることなくカスタムネットワークを構築することが出来るという。

「Gaia-X」は、ドイツの連邦経済産業省が2019年10月に立ち上げた、欧州のクラウドやAI、データ基盤構築プロジェクトだ。オープンソースかつ民主的なデータ基盤を目指すべく、プロトコル「Ocean Protocol」を搭載している。なおGaia-Xには利用モビリティ、エネルギー、製造、金融、農業、航空宇宙、公共サービス、観光、ヘルスケアなどあらゆる分野の21カ国のハブから365以上の組織や企業が加盟しているとのことだ。

Seamless settlement for digital transactions #onPolygon ⚡️

We are thrilled to announce the release of EUROe, a digital EURO, on the GEN-X network.

The token launch will enable digital txn at lightning speed for enterprises in the Polygon ecosystem.

🔗 https://t.co/yWynAhgISM

— Polygon Labs (@0xPolygon) March 13, 2023

関連ニュース

参考:EUROe
デザイン:一本寿和

images:iStock/Ninja-Studio・Dmytro-Yarmolin

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

Sponsored

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された

フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開

米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、「オンチェーン米国政府マネーファンド(OnChain U.S. Government Money Fund:FOBXX)」をイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ブロックチェーン「ベース(Base)」上でローンチした。フランクリン・テンプルトンが公式Xにて10月31日発表した