zkEVM公開テストネットのリリース日が決定
米コンセンシス(ConsenSys)開発の「zkEVM(Zero Knowledge Ethereum Virtual Machine)」の公開テストネットリリース日が3月28日に決定した。同社が3月3日発表した。コンセンシスは、イーサリアム(Ethereum)関連の技術開発企業で、web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」の開発なども行っている。
コンセンシスは昨年12月、「zkEVM」をプライベートベータ版テストネットとしてローンチし、内部メンバーによるテストを実施。今年1月11日に「zkEVM」を一般開発者向けに公開するとしていた。
コンセンシスによると「zkEVM」のプライベートベータ版テストネットでは、様々なDapps(分散型アプリ)から490,000件以上のトランザクション(取引)を処理し、プライベートベータのフェーズを正常に完了したとのことだ。
「zkEVM」は、暗号技術を利用した証明技術「ゼロ知識証明」を用いて開発されたコンセンシス独自のイーサリアムL2スケーリングソリューションだ。同技術により正当性を担保しながら計算を別のレイヤーで行い、結果だけを送り返すことでスケーラビリティが向上する仕組みとなっている。
コンセンシスによると「zkEVM」は、既存のブロックチェーンで広く利用されているEVM(イーサリアムバーチャルマシン)と同等に利用可能とのこと。「zkEVM」のネットワークではweb3ウォレット「メタマスク」やスマートコントラクト開発者用ツール「トリュフ(Truffle)」、RPCの「インフラ(Infura)」などのEVM互換のブロックチェーンで広く利用されてきたサービスを変わらず利用できるという。
テストネットに参加した開発者は、各々自由にスマートコントラクトやDapps(分散型アプリケーション)を「zkEVM」にデプロイができるとのこと。開発者以外のユーザーは、イーサリアムのテストネット「ゴエリ(Goerli)」からブリッジを利用したトークンの移動や、デプロイされたアプリケーションの使用ができるとのことだ。
なお前回のリリース時においてコンセンシスは、「zkEVM」テスト参加者に対しての報酬を考えているものの、未だ詳細は決まっていないとし、またネットワークトークンの発行についても、ベータテストの現段階では言及しないとしていた。これについて今回のリリースでは触れられていなかった。
関連ニュース
- コンセンシス、イーサリアムL2「zkEVM」テストネットを一般公開へ
- コンセンシス、イーサリアムL2「zkEVM」のテストネットをローンチ
- ポリゴン(MATIC)、イーサL2「Polygon zkEVM」メインネットβ版を来月ローンチへ
- イーサL2「スタークネット」のOSノードクライアント「Papyrus」がリリース
- Matter Labsが約280億円調達、「zkSync2.0」オープンソース化へ
参考:コンセンシス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/antoniokhr・liuzishan・Lidiia-Moo