コインベースがBUSDの取引停止へ
米ナスダック上場の暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が、米ドルステーブルコインBinance USD(BUSD)の取引停止予定を2月28日発表した。
BUSDの取引が停止されるのは、3月13日12:00(日本時間14日2:00)前後になるとのこと。Coinbase.com、Coinbase Pro、Coinbase Exchange、機関向けのCoinbase Primeがその対象となるという。なおユーザーがコインベースのアカウントで保有するBUSDについては、引き出しなど継続してアクセスは可能とのことだ。
今回コインベースがBUSDの取引停止をするのは、コインベースが定期的に実施する取扱い暗号資産の監視の結果、BUSDが上場基準を満たしていないと判断したからのようだ。
BUSDに関しては、発行を担当するブロックチェーンインフラ企業パクソス(Paxos)が、米証券取引委員会(SEC)およびニューヨーク金融サービス局(NYDFS)からBUSDの発行停止命令を受け、2月21日から新規発行を停止している。
NYDFSは「パクソスがイーサリアム(Ethereum)上でBUSDを発行すること」は認めているが、「バイナンスが他のブロックチェーン上において、パクソスが発行したBUSDを原資産とするBUSD(Binance-Peg BUSD)を発行すること」は認めていないとして発行停止命令を出していた。またSECについては「BUSDが証券であり、パクソスは連邦証券法に基づきBUSDの募集時に証券として登録すべきだった」と主張をしている。
これについてパクソスは「BUSDは連邦証券法に基づく有価証券に該当しないため、パクソスはSECに断固として同意しない」と反対意見を主張しているが、一方でBUSD発行停止の理由を「市場の状況によりバイナンスとの関係が優先事項ではなくなった」と説明をしている。
なお現在はパクソスが米SECとBUSDの証券性について「建設的な議論」を行っているとも報じられている。
BUSDは、米ドル(USD)と1:1の比率で価値を維持(ペッグ)しているステーブルコインだ。大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)がパクソスとの協力により2019年から発行開始しており、ステーブルコインの時価総額では、同じく米ドルペッグのステーブルコイン「USDT」と「USDC」に続き第3位となっている。なお前述した通り、パクソスによるBUSDの新規発行は2月21日に停止している。
We regularly monitor the assets on our exchange to ensure they meet our listing standards. Based on our most recent reviews, Coinbase will suspend trading for Binance USD (BUSD) on March 13, 2023, on or around 12pm ET.
— Coinbase Assets (@CoinbaseAssets) February 27, 2023