ヘッジファンドのガロアキャピタルが閉鎖へ、FTX破綻余波で総資産の半分を失う

ヘッジファンドのガロアキャピタルが閉鎖へ

ヘッジファンドの米ガロアキャピタル(Galois Capital)が、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの破綻により資産の「約半分を失った」とし、旗艦ファンドを閉鎖する。ガロアキャピタルの創業者であるケビン・チョウ(Kevin Zhou)氏が自身のツイッターにて2月20日発表した。

このチョウ氏の声明は、フィナンシャル・タイムズが2月20日に報じた、ガロアキャピタルが旗艦ファンドを閉鎖して投資家らに資金を返還するという内容を裏付ける形となった。

かつて世界トップクラスの暗号資産取引所であったFTXは、昨年11月に破産を申請。およそ900万人の顧客及び投資家らが数十億ドルの損失を抱えることになり、業界を震撼させた。

チョウ氏はツイートで、ガロアキャピタルは「FTXの惨事によって」資産の約半分を失ったと述べている。

フィナンシャルタイムズの報道によると、チョウ氏は投資家らへ対し「(ファンドから)FTXに投資し、現在滞留している資金はガロアキャピタルの総資産2億ドルのうち約半分の価値がある」と語ったという。またこの報道では、ガロアキャピタルが、同ファンドの存続はもはや不可能であり、取引を停止し閉鎖したことを投資家らに告げた文書も引用されている。

パンデミック時に急速に拡大した暗号資産市場は、金利の上昇と暗号資産企業の一連の破綻劇が影響し、投資家らの高リスク資産へ見切りをつけたことで2022年急落した。

市場トラッカーのコインゲッコー(CoinGecko)によると、現在、全暗号資産の価値は約1.2兆ドルだという。この数字は2021年11月に記録したピーク時の3兆ドルから減少した格好となる。

関連ニュース

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Galois Capital flagship fund to close after FTX losses
Reporting by Nell Mackenzie and Elizabeth Howcroft; Editing by Dhara Ranasinghe and Mark Potter
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【3/7話題】トランプが「戦略的ビットコイン準備金」設立の大統領令、自民党web3WGが分離課税を目指す改正案など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

トランプ大統領、押収した暗号資産で国家準備金設立などの大統領令発表予定か=報道

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、3月7日に米ホワイトハウスで開催される初の暗号資産(仮想通貨)サミットにて、押収した暗号資産の売却を停止し国家準備金の設立に充てる等、暗号資産関連の複数の大統領令を発表する可能性があるようだ