JALと博報堂、NFTで関係人口創出の実証実験、三重県鳥羽市と鹿児島県奄美市で

JALと博報堂、NFTで関係人口創出の実証実験

日本航空(JAL)と博報堂が共同で、NFTを活用して関係人口を創出する実証実験を実施することを2月9日発表した。三重県鳥羽市ならびに鹿児島県奄美市において実施されるという。

なお関係人口とは、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人々のことを指す。

この実証実験では地域の体験プログラムをNFTにした、国内外の購入者を地域の関係人口に変えていく体験型NFT「KOKYO NFT」の検証を行うとのこと。地域ならではのモノやコトのNFTを体験型NFTとして展開し、インバウンドを中心とする訪問者が、旅の前後において地域との関係性を長期継続できる仕組みを構築しながら、関係人口を増やし新たな地域づくりを目指すという。

なおNFTの製作・販売は4M社、NFT開発・SNS運営に関する各種支援についてはリードエッジコンサルティングに委託をしているとのこと。またNFTの販売は「KOKYO NFT webサイト」で行われるとのことだ。ちなみにJALはサービス全体企画、博報堂はサービス全体企画とプロジェクトの制作進行管理を行うとのこと。

実証実験を行う三重県鳥羽市からは、鳥羽国際ホテルでの結婚30周年を祝う「真珠婚式」の挙式と宿泊、海女小屋はちまんかまどでの「真珠婚コース」料理と海女との交流体験に、ミキモト真珠島で使えるジュエリー購入クーポンが加えて提供されるという。

また鹿児島県奄美市では、特産品である黒糖焼酎樽のオーナーになる権利がNFTになる。その樽をソニックエイジングで3年間かけて熟成させるための音楽を選べる体験が提供されるという。3年後に自分がオーナーである焼酎をオリジナルボトルで受け取るまで毎年夏と冬に奄美でイベントが開催され、試飲や音楽ライブ、製造工程の一部への参加が楽しめるとのことだ。

共にプレセールが2月28日10:00に開始され、パブリックセールが3月2日10:00から開始する。価格については三重県鳥羽市のNFTがプレセールで95万円もしくは4.75ETH、パブリックセールで100万円もしくは5ETHになるとのこと。鹿児島県奄美市のNFTはプレセールで11万円か0.55ETH、パブリックセールで12万円か0.6ETHで販売されるとのことだ(共に1ETH20万円の場合)。

なお販売サイトを確認すると「KOKYO NFT」には譲渡可能なNFTと譲渡不可なNFTの2種類がある。譲渡可能なNFTに関しては売却が可能で、NFTマーケットプレイス(二次流通市場) への出品および売却が可能となっているとのこと。

なお今回の実証実験と同じくNFT活用による関係人口創出の取り組みとして、石川県加賀市のNFT活用による100万人の関係人口創出施策「e-加賀市民制度」の正式導入に向けた実証実験が3月6日から実施される予定だ

また鳥取県智頭町、静岡県松崎町らが進める、内閣府の「地方創生SDGsモデル事業」として採択された「日本で最も美しい村デジタル村民の夜明け」事業から、3月1日より全国の美しい村で活用できるインセンティブが付与された「美しい村NFT」の予約販売が開始する。

この事業の概要は『ブロックチェーン技術に裏付けられたスマートコントラクトを構築し、DAO方式で管理する「デジタル村民コミュニティ」を創設する。各町村が持つ様々なコンテンツをNFTとして発行、村民のインセンティブを提供することで、関係人口の増加と地域課題解決・経済循環の基盤とし、過疎地における新たな社会構造を形成する』となっている。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

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参考:JAL
デザイン:一本寿和

images:iStock/Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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