電縁とChaintopeがトレーサビリティPF「Rensa」提供開始
電縁(デンエン)とchaintope(チェーントープ)が共同開発したブロックチェーントレーサビリティプラットフォーム「Rensa(レンサ)」の提供開始が1月11日発表された。
電縁は国内においてビジネスコンサルティング・システム開発などを行う企業。またChaintopeは福岡県飯塚市を拠点にブロックチェーンに関する技術開発・コンサルティング・システム開発を行う企業。
発表によると「Rensa」は、近年頻発している農水産物・食品の産地偽装の抑止に活用できるプラットフォームとのこと。ブロックチェーンにはChaintope独自開発の「Tapyrus(タピルス)」が採用されているという。
Chaintopeは「Rensa」について、情報をブロックチェーンである「Tapyrus」に保持するため、改竄に対する耐性、保持するトレーサビリティ情報に対する信憑性が極めて高くなると説明している。
また「Rensa」は、対象そのものや属性情報・状態・取扱について「どのようなタイミングで」、「どの情報項目が記録されるか」を柔軟に設定できるため、幅広いトレーサビリティ要件に標準機能で適合し、迅速な導入が可能とも説明している。
なお「Rensa」は既に、「ブランド農水産物の産地証明」や「生鮮食品の物流過程の記録と消費者への提示」、「工業製品の品質試験の実施記録」といった複数のプロジェクトで採用されているという。
「ブランド農水産物の産地証明」では、昨今頻繁に聞かれる農水産物の産地偽装に対する抑止策として、トレーサビリティで生産、流通情報を記録し、照合可能にすることで、記録が残っている正規品であるかを確認できる仕組みを構築しているとのこと。
また「生鮮食品の物流過程の記録と消費者への提示」では、生鮮食品が産地から消費者の手元に届けられる過程を記録し、適切な期間内に適切なルートで届けられていることを裏付けるとともに、消費者がその履歴情報を参照できる仕組みを構築しているという。
そして「工業製品の品質試験の実施記録」では、工業製品に対して品質試験を実施する際に試験項目を消化する都度トレーサビリティシステムに結果を記録することにより、紙に手書きで記録して試験項目ひと通りが完了後にシステムに打ち込む方法に比べ、タイムリーな結果記録、入力の正確性の向上、結果の改竄の防止の面で効果を発揮することを期待してシステムを構築しているとのことだ。
なお国内においてはSBIトレーサビリティが日本産食品の信頼性・ブランディングの向上を目指したブロックチェーントレーサビリティサービス「SIMENAWA」を提供している。
同サービスでは日本酒「梵」の不正流通を防ぐ機能や、コンビニ大手ローソンが中国上海の店舗で販売している「おにぎり」に使用されている米の生産地情報を証明する取り組みなどを行っている。
また昨年6月には三菱ケミカルやNTTデータらが、ブロックチェーンを活用した国産食品のトレーサビリティシステム「スマートフードチェーンシステム」の実証実験を行っている。
同システムでは、国内における生産者や物流倉庫、小売店において、トレーサビリティ情報として輸送経路、輸送時の温度や衝撃等の情報を取得し管理を行うとしている。それにより日本の農林水産物や食品の意味的価値を向上させ輸出の拡大を行うとともに、フードロスの削減につなげることを目指しているとのことだった。
ちなみに「SIMENAWA」には米R3社開発のエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」が、「スマートフードチェーンシステム」にはNTTデータのブロックチェーンソリューション「BlockTrace for Cold Chain」が採用されている。
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参考:チェーントープ
デザイン:一本寿和
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