シルバーゲートの暗号資産預金残高減少、社員200人削減も
暗号資産関連サービスを提供する米大手銀行の持ち株会社シルバーゲイトキャピタル(Silvergate Capital Corporation)が、顧客からの暗号資産預金残高が大幅減少し、社員の40%となる200人の人員削減を行うことが発表された。
同社が昨年12月31日までの3カ月間の監査前・暫定財務指標の一部と、事業最新情報を1月5日に発表した。
同社の顧客暗号資産預金残高は、2022年9月30日時点で119億ドルだったが、12月31日時点では38億ドルに減少したという。
なお12月31日時点でのシルバーゲートの預金のうち約1.5 億ドルは、破産申請した顧客からのものだという。
顧客からの暗号資産預金残高が減少した原因について、暗号資産業界は変革期を迎えていて業界内の大幅なオーバーレバレッジにより、いくつかの有名企業が倒産していることが影響しているとシルバーゲートは伝えている。
有名企業が倒産したことで、暗号資産エコシステム全体に信頼の危機を引き起こし、多くの市場参加者が暗号資産資産取引プラットフォーム全体でリスクオフのポジションに移行するきっかけになったという。
シルバーゲートの最高経営責任者アラン・レーン(Alan Lane)氏は「第4四半期の暗号資産業界の急速な変化に対応して、潜在的な預金流出を満たすために現金流動性を維持するための相応の措置を講じ、現在暗号資産関連の預金を上回る現金ポジションを維持しています」とコメントしている。
また社員のリストラについては「2022年シルバーゲートは、成長するビジネスに対応し、顧客にサービスを提供するために、従業員数を急速に増やしました。当社は、今日のビジネスと業界が直面している経済的現実を考慮し、従業員数を約200人(40%)削減します」とし、「従業員数の削減により、シルバーゲートは、より厳しいマクロ環境下で経費を慎重に管理しながら、お客様に合わせた体験を提供し続けることができます」と説明している。
またこの人員削減に関連する費用として、同社は主に退職金、従業員給付および関連費用など合計約800万ドルを見込んでいるとのことだ。
さらにシルバーゲートは2022年第4四半期に、ディエムグループ(Diem)から購入した開発済み技術資産に関連する1億9600万ドルの減損損失を計上する予定とのことだ。
この費用は、暗号資産業界の状況が大きく変化していることを考慮し、シルバーゲートによるブロックチェーンベースの決済ソリューションの立ち上げが差し迫っていないという同社の考えを反映したものだという。
なお現在財務諸表で報告されている数値などは、2022年12月31日に終了した年度の通常の決算手続きおよび監査の実施・完了に伴い、変更される可能性があるという。
参考:シルバーゲート
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デザイン:一本寿和