米コインベースがNYDFSと和解
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)とニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が、1億ドル(約132.1億円)にて和解に至ったとした声明を1月2日発表した。この和解は、マネーロンダリングを防止するための要件に対するコインベースのコンプライアンスに関して、規制当局であるNYDFSが行っていた調査について終止符を打つものとなった。
なお和解金の内訳は違約金として5000万ドル、残りをコインベースのコンプライアンスプログラムへの投資に充てるようだ。同プログラムは、潜在的な犯罪者が取引所を使用するのを阻止することを目的としたコンプライアンスの取り組みを強化するためのものだと説明されている。またこの取引では、コインベースが第三者の監視役と協力することも要求されている。
なおこの和解案はニューヨーク・タイムズによって最初に報じられた。
NYDFSは、コインベースが顧客に対する取引開始要件を簡易的なチェックとして扱い、十分な身元確認を行っていなかったことを発見したと述べていた。
NYDFS管理者のエイドリアン・ハリス(Adrienne Harris)氏は「コインベースは、その成長に追いつくことができる機能的なコンプライアンスプログラムを構築し、維持することができなかった。その失敗は同社のプラットフォームを潜在的な犯罪行為にさらした」と話している。
またコインベースの最高法務責任者であるポール・グレワル(Paul Grewal)氏は声明の中で、取引所は問題に対処したと述べている。
同社はブログにて、調査は2018年と2019年頃の同社のコンプライアンスプログラムと、2021年に取引所が成長した際のコンプライアンスの過去ログを中心に行ったとし、「私たちはNYDFSの懸念を真剣に受け止め、これらの歴史的な欠点に対処するための実質的な措置を講じた」と述べている。
なおコインベースは、NYDFSや他の規制当局から監視を受けている。以前に米証券取引委員会(SEC)から調査召喚状や文書・情報提供の要請を受けたことを公表している。
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※この記事は「あたらしい」がロイターから経済ライセンスを受けて編集加筆したものです。
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Reporting by Susan Heavey, Hannah Lang and Jonathan StempelAdditional reporting and writing by Chris PrenticeEditing by Mark Potter and Lisa Shumaker
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ismagilov