SEC、FTTを有価証券とみなす訴状を公開
経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTX発行の取引所トークン「FTT」が、有価証券に該当するとした内容の訴状が、米国証券取引委員会(SEC)によって12月21日公開された。
この訴状はFTXの元CTOゲイリー・ワン(Gary Wang)氏と、アラメダリサーチの元CEOキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏を詐欺行為へ関与したとして起訴したものである。
その訴状によると、投資家への「FTT」の販売は「投資契約の締結」と見なされるため、「FTT」は有価証券に該当するとのこと。
SECは「FTT」の販売が「投資契約の締結」として扱われる根拠を次のように説明している。
FTXは2019年に「FTT」を発行し、プレセールとして投資家に約7,300万FTTを0.1~0.8ドルで販売した。
このプレセールでFTXは約1,000万ドルを調達し、取引プラットフォームの開発やマーケティングのためにそれらの資金を使用した。
FTXが拡大していけば「FTT」の需要が増えて価格が上がると考えられるため、「FTT」を保有するFTXと投資家は取引所の成長によって共に利益を得られる状態にあったと言えるとしている。
また「FTT」のマーケティング資料では、「FTT」を「FTXエコシステムに力を与えるトークン」と表現しており、このような文言によって「FTT」の投資家は、FTXの成長と「FTT」の価値の上昇を関連づけ、合理的に期待するようになっていたしている。
さらにマーケティング資料では「私たちは4月にFTXを立ち上げ、すでに世界で最も流動性の高いオーダーブックを持っている」「2019年7月にFTTを1.00ドルで上場する予定」など、投資家の利益を宣伝する文言が多く存在した。また将来的に実装される信用取引で「FTT」を使用できることや、FTXの収益による「FTT」の買戻しが行われることなども記載されており、FTXが成長するにつれて「FTT」の価値が上がることを期待させるような宣伝手法となっていたとしている。
上記のようなトークンの販売手法を考慮すると「FTTの投資家はFTXの努力から利益を得るという合理的な期待を持っていた」と判断できるとのこと。そしてこれは投資契約の締結と見なされるという。
FTX関係者の動向
米連邦検察とSECおよび米国商品先物取引委員会(CFTC)はゲイリー・ワン氏とキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏を21日に起訴。当局によると、両氏とも罪状を認め、捜査に協力しているとのことだ。
またFTXの元CEOであるサム・バンクマン・フリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)氏は21日にバハマから米国に身柄を引き渡され、法廷にて2.5億ドル(約330億円)の保釈金の支払いに同意した。
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参考:SEC
デザイン:一本寿和
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