Maple Financeがシステム改善のアップグレード実施
DeFi(分散型金融)レンディングプロトコル「メイプルファイナンス(Maple Finance)」が、システム改善のためアップグレード実施完了を12月14日に発表した。
これによりメイプルファイナンスは「メイプル2.0(Maple2.0)」の新バージョンをリリースしている。
新バージョンでは、新たな機能として「自動複利」や「貸付資本ロックアップの解除」などが導入されたが、そもそも今回のアップグレードは、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTX破綻をきっかけに見つかったシステムの欠点を改善を行うために実施がされている。
メイプルファイナンスは、先日同プロトコルが提供している債権のうち約3600万ドルが債務不履行に、約1800万ドルが不良債権になったことが分かっている。これは同プロトコルの貸出残高のうち66パーセントを占めるという。
大きな損害を受けることになった決定的な理由は、FTXの倒産で貸し手企業の資産がロックされたことで、ローンの返済が滞ったことによるという。
この損害を受けたことからメイプルファイナンスが発行しているネイティブトークン「MPL」の価格が50パーセントほど下落し、過去最低価格を記録した。
この騒動によってこれまでのメイプルファイナンスのシステムでは、貸し手が資金を引き出せない場合があるなどのいくつかの欠点が明らかになり、これらの欠点を改善するために今回のアップグレードおよび「メイプル2.0」のリリースが行われた。
また同プロジェクトは「メイプル2.0」のリリースに際し、新しくなったスマートコントラクトの機能やプロダクト、今後の戦略についてを、アップグレード完了と同じく14日に発表した。この発表でメイプルファイナンスは、これまで展開してきたソラナ(Solana)上でのサービスを停止するとした。
メイプルは4月、ソラナでのプールを3億ドルにまで増やす目標を立てていた。今回の撤退決定は、ソラナがFTXから受けた影響を考えてのものであると思われる。
なおメイプルファイナンスはブログにて「Maple Ethereumアプリの改善とイーサリアムのプルーフオブステーク(Proof of Stake)への移行により、イーサリアムでの摩擦がメイプルプロトコルの現在および将来のユーザーにとってもはや妨げになることはないと確信しています。それ以上に、イーサリアムのエコシステムは繁栄しており、デジタル資産技術に参加する機関にとって明らかなエントリーポイントです。私たちは、その否定できない価値に大きく貢献したいと考えています」と語っている。
Introducing Maple 2.0.
— Maple 2.0 (@maplefinance) December 14, 2022
Maple 2.0 is a fundamental overhaul of the smart contract architecture. The new contracts are modular and robust and will facilitate Maple bringing capital markets on-chain. pic.twitter.com/5GGsMXaXhv
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参考:メイプルファイナンス戦略・メイプルファイナンスアップグレードについて
デザイン:一本寿和
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