NY規制当局、米銀行向け暗号資産ガイダンス発表。コーポレートガバナンス等について

ニューヨーク規制当局、暗号資産事業に係る銀行へガイダンス発表

米ニューヨーク州金融サービス局(DFS)が、暗号資産(仮想通貨)関連業務に関わる銀行らに対するガイダンスを12月15日に発表した。

このガイダンスは、ニューヨークのすべての規制対象銀行および同局から認可を受けた外国銀行の支店や代理店に適用されるという。なおこのガイダンスは、2022年12月15日より効力を持つとのこと。

ちなみにガイダンス名は「対象機関の暗号資産関連活動に対する事前承認について(Prior Approval for Covered Institutions’ Virtual Currency-Related Activity)」となっている。

このガイダンスでは、DFSが対象機関の提案を評価する際に考慮する情報として「事業計画」、「リスクマネジメント」、「コーポレートガバナンスと監督」、「消費者保護」、「財務」、「法務・規制分析」の6つのカテゴリーが大まかに説明されている。

例えばガイダンスには、これから暗号資産関連の事業を展開しようと考える銀行らは、事業開始の90日前までにDFSに承認を得ておかなければならないと記載されている。

またガイダンスにある「リスクマネジメント」に関しての記載では、対象の金融機関は取締役会承認のリスク選好度に沿って、提案された暗号資産関連業務から生じる、または関連するすべてのリスクを特定し、測定し、監視し、管理するための対象機関の企業規模のリスク管理枠組みを完全に書面にて説明しなければならないとなっている。

なおリスクの例として「信用リスク」、「市場リスク」、「資本リスク」、「流動性リスク」、「サイバーセキュリティ及び詐欺リスク」などが挙げられている。

またガイダンスの「コーポレートガバナンスと監督」についての記載をみると、対象機関は暗号資産関連業務に従事の決定に伴う社内での全ての承認プロセス裏付けとなるものを書面でDFSへ提出する必要などがあるとのこと。

そして対象機関は、同機関のリスクマネジメントのフレームワークを含む方針及び手続の策定に関する取締役会及び上級管理職の監督に関する説明も書面にてDFSへ提出する必要があるという。

DFSの監督官であるエイドリアン・ハリス(Adrienne A. Harris)氏は「規制当局が私たちの規制アプローチの進化についてタイムリーで透明性のある方法で伝えることは非常に重要です。このガイダンスは、消費者が苦労して稼いだお金を守り、ニューヨークの規制下にある銀行組織が弾力性と競争力を維持し、暗号資産関連の登録提案を提出しようとするものにとって期待が明確であることを保証するために極めて重要です」とコメントしている。

参考:DFS
デザイン:一本寿和

images:Tzido・Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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