MakerDAOがDAI保有者向け固定利回りを1%に
大手DeFi(分散型金融)プロトコル「MakerDAO(メイカーダオ)」提供の「DSR(Dai Savings Rate)コントラクト」を利用した際の利子が、固定で1%に引き上げられたことが12月13日発表された。
「DSRコントラクト」は、「MakerDAO」に資産を預け入れて発行される米ドルステーブルコイン「ダイ(DAI)」を預け入れることで、利子が得られるスマートコントラクトだ。
これまでも「DSRコントラクト」による「DAI」の預け入れは提供されていたが、いままで得られる利子は年間で0.01%であったため、今回の1%への利率変更は大幅な引き上げとなった。
「MakerDAO」は、今回の利率引き上げについて「トレードオフ」であると説明しており、利率を引き上げることで「DAI」自体の需要が高まる代わりに流動性が低下し、「MakerDAO」が提供するプロトコルの利用料が増加すると公式のドキュメント内で説明している。
なお「MakerDAO」のDeFiプロトコルは、コミュニティによって形成されたDAO(自律分散型組織)の「MakerDAO」によって運営方針などが決定される形式を取っている。今回の決定は、このDAOによるガバナンス投票によって12月11日に可決された。
その投票により可決された提案には、前述した「DAI」の預け入れにより1%の利子が得られるようにするという内容の他、20のデリゲーターが合計で103,230DAIの報酬を受け取るというものや、「DAI」を発行する際の担保として「renBTC」の利用を廃止するというものなど、合計で8つの変更が含まれている。
「renBTC」はレン(Ren)によって提供されていたビットコインのラップドトークンであり、ビットコインの価格と連動したものであった。しかし先日のFTXと姉妹会社のアラメダリサーチ(Alameda Research)の破綻の影響を受け、現在提供しているバージョンのサポートを終了することがレンより発表されており、ユーザーに対しアンラップ(ラップドトークンをもとの通貨に戻すこと)するよう警告されている。
担保として「renBTC」を受け入れないようにする「MakerDAO」の変更は、この警告に則ったものになっている。
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