イーサリアムマックス(EMAX)宣伝、キムカーダシアンらへの訴訟が棄却

カリフォルニア州連邦判事、キム・カーダシアンらへの訴訟が棄却

米カリフォルニア州の連邦判事が、モデルで実業家のキム・カーダシアン(Kim Kardashian)氏ら複数の著名人が暗号資産(仮想通貨)の宣伝に関与したことをめぐる訴訟について、棄却したことを12月8日に複数のメディアが報じた

今回棄却されたのは今年1月に投資家らが起こした訴訟だ。原告らは、イーサリアムマックス(EMAX)の幹部が有名プロモーターと共謀して投資家にEMAXトークンを買わせ、価格をつり上げ、自分のトークンを利益で売却できるようにしたと主張していた。

報道によると、マイケル・フィッツジェラルド(Michael Fitzgerald)判事は、原告らの訴えにはインフルエンサーらの宣伝を見たかや、具体的な時期について述べられていないため主張は不明瞭と判断し訴えを棄却したのこと。フィッツジェラルド判事は「その時々の時代精神に基づいて賭けをする前に、合理的に行動することが求められる」と付け加えた。なお判事は棄却した一方で、原告は集団訴訟案を修正の上、再申請が可能とも述べている。

カーダシアン氏とEMAXをめぐる問題は、同氏が昨年6月に当時2億2,800万人ものフォロワーを抱える自身のインスタグラムでEMAXの宣伝を行ったことから始まった。その後EMAXの価値は24時間で3分の1まで暴落していた。

また同時期に、元プロボクサーのフロイド・メイウェザー(Floyd Mayweather)氏や元プロバスケットボール選手のポール・ピアース(Paul Pierce)氏もEMAXの宣伝を行っていたことが報じられていた。

なおカーダシアン氏は今年10月、米SEC(証券取引委員会)より同氏が報酬を受け取っていたことを公表せずに暗号資産(仮想通貨)イーサリアムマックス(EMAX)をSNS上で宣伝していたことが、証券法違反にあたると指摘を受け、提訴されていた。

SECの指摘について、カーダシアン氏は受諾も否認もせず、罰金及び不正に得た利益、判決前の利息を合わせて126万ドル(約1.8億円)の支払いを行っている。また暗号資産証券を3年間は宣伝しないことにも同意したとのことだ。

関連ニュース

米SECがキム・カーダシアン提訴、暗号資産の違法宣伝で

FTX破綻、米投資家が広告塔の大谷翔平や大坂なおみらも提訴

バイナンスUSに集団訴訟、UST・LUNA問題に関して

バイナンス、米国での暗号資産関連訴訟の棄却を勝ち取る

脱税容疑でマイケルセイラーとマイクロストラテジーを訴訟、米司法長官事務所

デザイン:一本寿和
images:iStocks/gorodenkoff

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/1話題】イミュータブルがSECからウェルズ通知、アルゼンチンLABITCONFがサトシの正体明かすと告知など(音声ニュース)

イミュータブルが米SECからウェルズ通知受ける、「IMX」証券性の疑いか、アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知、フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開、Crypto[.]comがSEC登録ブローカーディーラー買収、米国ユーザーに株式取引機会提供へ、セキュリタイズ、トークン化資産の管理機能統合の「Securitize Fund Services」立ち上げ、米マイクロストラテジー、「21/21プラン」で420億ドル調達を計画、ビットコイン購入資金で、BIS、中国主導の「中銀デジタル通貨」プロジェクトから離脱、Sui対応の携帯型ゲーム機「SuiPlay0X1」、格闘ゲーム『サムライスピリッツR』リリースへ、ヴィタリック、イーサリアム最後のチェックポイント「ザ・スプラージ」解説、バイナンス共同創業者、「Web3が身近な社会実現目指す」と語る。伝統的金融や規制当局と協力の姿勢も=BBW

Sponsored

アルゼンチンのカンファレンス「LABITCONF」、サトシ・ナカモトが正体明かすと告知(有識者コメントあり)

アルゼンチンで11月1日から開催されるビットコイン(Bitcoin)のカンファレンス「LABITCONF(Latin American Bitcoin & Blockchain Conference)」にて、ビットコインの考案者であるサトシ・ナカモトが自身の正体を明らかにすると、同カンファレンスの公式Xよりプレスリリースが出された

フランクリン・テンプルトン、「オンチェーン米国政府マネーファンド」をイーサL2「Base」に展開

米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)が、「オンチェーン米国政府マネーファンド(OnChain U.S. Government Money Fund:FOBXX)」をイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2(L2)ブロックチェーン「ベース(Base)」上でローンチした。フランクリン・テンプルトンが公式Xにて10月31日発表した