メタマスク、「インフラ」のユーザーデータ保存を7日に短縮

インフラのユーザーデータ保存が7日に短縮

web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」開発元のコンセンシス(ConsenSys)が、同社開発のRPC「インフラ(Infura)」の仕様およびメタマスクの設定画面の変更を12月7日に発表した。

そもそもこの判断に至るまでには、コンセンシスがメタマスクを通してユーザーデータを収集開始したという疑惑から始まった。

コンセンシスは11月23日、同社のプライバシーポリシーを変更し、ユーザーがメタマスクのRPCプロパイダーとしてデフォルト設定されている「インフラ」を使用した場合、ユーザーのウォレットアドレスとIPアドレスを収集する旨の明記を追加した。

これに対し多くのユーザーは、この記載内容がweb3分野で重視される思想である分散性に反していると批判。他のウォレットへ乗り換えるというSNSへのユーザーの書き込みも多く見られていた。

その後コンセンシスCEOのジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏はツイッターにて、この記載内容がメタマスクではなくインフラの仕様であるとし、データ収集が負荷の分散やルーティングに必要であること。また収益化に利用しないことを述べていた。

しかしながら一部のユーザーは、思っていたよりもメタマスクを利用した取引がプライベートなものでなかったとの反応を示していた。

そして今回、コンセンシスはこれらのユーザーの反応へ配慮して「ウォレット情報とIPアドレスを結びつけられないように保存していること」、「資産残高の確認などのブロックチェーンの情報の読み取りではIPアドレスを取得せず、取引などの書き込みの際にのみ取得すること」、そして今後、これらのユーザー情報の保存期間を7日間に短縮する予定であることを発表した。

またコンセンシスからプライバシーを重視するユーザーに対して、「インフラ」の代わりに独自のノードを作成するかサードパーティー製のRPCを利用するよう推奨されていたが、現在のユーザーインターフェースではこの設定が分かりづらいことが指摘されていた。

これに対しても、近日中にメタマスクのユーザーインターフェースを、RPCの変更設定が分かりやすく、新規ユーザーに対して利用するRPCを選択できるようなものに更新するとコンセンシスは発表している。

関連ニュース

メタマスクのユーザーデータ収集問題、コンセンシスCEOジョセフルービンが否定

メタマスクが助成金DAO、コンセンシス全従業員参加し外部開発者支援へ

ユニスワップ(UNI)がユーザーのオンチェーンデータ取得開始、UX向上目的に

複数のweb3企業ら、データプライバシーに関するアライアンスとファンド設立

【取材】LayerX、プライバシーテック事業へ本格参入

参考:コンセンシス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/ustinroque

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【12/20話題】NTTドコモのERC6551搭載ゲームβ版、「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」正式承認など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored