暗号資産レンディングNexo、規制当局との対話行き詰まり、米国撤退へ

Nexoが米国市場から撤退へ

英ロンドン拠点の暗号資産(仮想通貨)レンディング企業ネクスオー(Nexo)が、米国市場から撤退することを12月5日発表した。

今後数ヵ月にわたって段階的に米国内で提供するプロダクトとサービスを廃止すると発表されている。

まずは暗号資産による利回り商品の「アーンインタレスト(Earn Interest)」を、米国8州に居住するユーザーを対象に利用停止を行うとのこと。

なお対象となるのはインディアナ州、ケンタッキー州、メリーランド州、オクラホマ州、サウスカロライナ州、ウィスコンシン州、カリフォルニア州、ワシントン州だ。現状それ以外のサービス対象地域については、引き続きネクスオー提供のプロダクトなど利用できるとのことだ。

「アーンインタレスト」をはじめとしたネクスオーのプロダクトは、米国の規制上による懸念があり、同社は州および連邦政府の規制当局と1年半以上にわたって対話を続けてきたという。

今回の米国市場撤退は、この対話が「行き詰った」ことによる決定だとネクスオーは述べている。

今までにおいてもネクスオーは規制当局らに協力する為に、2021年から2022年にかけてニューヨーク州およびバーモント州のユーザーを利用停止にし、「アーンインタレスト」についても全ての米国ユーザーに対して新規登録の停止を行っていたとしている。

そんな中、ネクスオーに対し各規制当局は協調せずにそれぞれの主張を行っていたとし、「効率的な業務運営や顧客に期待する価値の創造が不可能な環境を作り出していた」とネクスオーは説明している。

1日には、すでに米証券取引委員会(SEC)や複数州の当局が管轄権を主張していたネクスオーのプロダクトに対し、消費者金融保護局(CFPB)が管轄権があると発表を行っていた。このCFPBの決定を受け、ネクスオーは今回の判断に至ったとのこと。

またネクスオーによると、数か月にわたって対話し協力してきた州当局の多くがネクスオーに対して事前通知なしに訴訟を起こしてきたとも指摘がされている。

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参考:Nexo
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Aleksei_Derin

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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