米クラーケン、市場低迷で1100人を一時解雇

クラーケンが1100人をレイオフ

米国で暗号資産(仮想通貨)取引所などを運営するクラーケン(Kraken)が、市場低迷に適応するためグローバルスタッフの30%にあたる約1,100人を一時解雇(レイオフ)すると11月30日発表した。

同社はその理由を、今年に入りマクロ経済的要因と地政学的要因が金融市場にのしかかったことで取引量と顧客登録が減少したと説明し、採用ペースを落とし、大規模なマーケティング活動を避けることで対応してきたが、コストを需要に見合ったものにするための望ましい選択肢が尽きたと伝えている。

また、同社は退職者へ対し再就職支援を含む包括的なサポートをしていくとしてる。具体的な対応として、全退職者に対し、有給消化を含む16週間分の基本給の支給およびカウンセリングサービスの提供、対象者への業績賞与の支給および有給消化期間を含む4カ月間の医療保険継続、権利確定済みストックオプションの行使期間延長、会社負担で取得したビザを持つ社員に対する専用ビザ取得支援および入国管理サポートなどを挙げられている。

暗号資産市場は今年、低迷を続けている。5月には時価総額で世界最大の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)が、昨年7月以来の安値に急落。昨年11月に記録した史上最高値に比べ50%下落した形となっていた。

なおクラーケンは今年9月、共同創業者兼CEOであったジェシー・パウエル(Jesse Powell)氏の辞任及び、その後任としてイブ・リプリー(Dave Ripley)氏が選任されたと発表した。なおパウエル氏はCEO辞任後も、筆頭株主として会長職に留まるとしていた。

関連ニュース

クラーケンCEOジェシー・パウエル氏が辞任、会長職に

株価下落でビットコインが過去最高値から50%下落、一方資金流入も

ジャックドーシーのブロック株価下落、暗号資産価格低迷が影響か、採用と投資は減速へ

金融安定理事会(FSB)、暗号資産の国際ルール提言

NFTの第3四半期売上高が急減、第2四半期比で60%減

参考:クラーケン
デザイン:一本寿和

images:iStocks/antoniokhr

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/21話題】ビットコイン9万6000ドル突破、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設検討かなど(音声ニュース)

ビットコイン9万6000ドル突破、トランプの政策に期待、トランプ陣営、ホワイトハウス初の暗号資産ポスト新設を検討か=報道、アスター、新ロードマップ「Astar Evolution Phase 1.5」発表、ASTRがオプティミズムスーパーチェーン進出へ、オンチェーン分析のArkham、米国で暗号資産の現物取引所立ち上げへ、コインベースウォレットが「USDC Rewards」導入、保有だけでAPY4.7%、韓国最大の野党、暗号資産課税の免除額引き上げの改正案を提出=報道、FTX元幹部ゲイリー・ワン、暗号資産詐欺事件で実刑を免れる、韓国大手の暗号資産取引所Upbit、「ジャスミーコイン(JASMY)」取り扱い、コインベースにミームコイン「Floki(FLOKI)」上場へ、ジェミナイ、フランスで正式にサービス展開、ビットフィネックス証券、エルサルバドルで「トークン化米国債券」提供へ、21シェアーズ、「Ethereum Core ETP」にステーキング機能追加、EVM互換のL1ブロックチェーン「Monad」、テストネットを段階的に公開へ、1SECと丸井グループが資本提携、ブロックチェーン活用の新しいファンエンゲージメントモデル構築で

Sponsored