IBMらの海運業界向けブロックチェーン貿易PF「TradeLens」、プロジェクト終了へ

TradeLensがプロジェクト終了へ

デンマークの海運会社マースク(Maersk)が、海運業界向けのブロックチェーン貿易サプライチェーンプラットフォーム「トレードレンズ(TradeLens)」のプロジェクト終了決定を11月29日発表した。来年の第1四半期の終わりまでにプラットフォームはオフラインになるとのこと。

マースクのビジネスプラットフォーム部門責任者であるローテム・ハーシュコ(Rotem Hershko)氏は「トレードレンズは、オープンで中立的な業界プラットフォームとして、グローバルなサプライチェーンのデジタル化を飛躍させるという大胆なビジョンのもとに設立されました。

残念ながら、私たちは実行可能なプラットフォームの開発には成功しましたが、グローバルにおいて業界コラボレーションの必要性は見出せませんでした。その結果、トレードレンズは独立したビジネスとして業務を継続し、財務的な期待に応えるために必要な商業的な実行可能性のレベルに達しないということになりました」とリリースで伝えている。

「トレードレンズ」はマースクとIBMが共同で開発したプラットフォームだ。エンタープライズ向けブロックチェーンであるHyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)を元にしたIBM Blockchain Platformを利用して開発されている。

今年9月には、米金融大手シティグループ(Citigroup)が「トレードレンズ」を利用して、初のペーパーレスによる貿易金融取引の試験運用を完了していた。

その試験運用では「トレードレンズ」活用により、書類処理のリードタイムを大幅に短縮することでサプライチェーンの効率を向上させる技術の有効性を実証したという。

主にはブロックチェーンを活用した電子船荷証券 (eBL) で作成された信用状(LC)により、20~25日と予想された書類処理の時間は10日間短縮されたとのこと。また書類作成、郵便料金、港湾使用料、輸送に関わるコストも削減されたと報告されていた。

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参考:マースク
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Igor-Korchak

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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